効率的な暗記法とは何か?暗記のコツを探すよりも大切なこと

中学生も高校生も、暗記しなくてはならないことがたくさんありますね。社会・理科はもちろん、英語でもたくさんの単語や構文を記憶しなければなりませんし、数学でさえ、公式や典型的な問題の解法はやはり暗記しなければ話になりません。

ところが、これだけの量があると、どうしても暗記するのには一苦労、それどころか、結局覚え切れずじまいということにもなりかねません。

暗記できてさえいれば点数が取れたはずなのに、と後悔することほど勿体ないことはありません。

一つ、覚えておいてほしいことがあります。また暗記かよ、と思われるかもしれませんが、話半分に捉えて頂いて結構です。

暗記法を伝える前に

例えば、10人中1人しか解けないような難解な数学の問題があったとしましょう。

あなたは、この問題を正解することができる1人ですか?それとも、この問題を解くことができない9人ですか?

もちろん、この1人になるために、しっかりと勉強を重ねるのは大切なことです。

ただ、どうしても得意不得意があるでしょうし、難易度が高い問題=高度な理解力、応用力が要求される問題であるので、どうしてもこれをクリアするためにはある程度の素養+修練が必要となります。結果、多くの人が「9人側」になってしまいます。

ところで、全ての試験科目・出題内容が、このように「解ける1人と解けない9人」に分けられるような問題なのでしょうか?

違いますよね。このような応用問題を解く能力をもっていることは大変素晴らしいことですが、これが解けるからと言って、他の人が解けるような基本的な問題を正解に導くことができなければ意味がなくなってしまいます。

暗記をすることの大切さ

テストでは、大半が基本的な内容から出題されます。

基本をしっかりと理解し、覚えるべき事項をしっかりと暗記していれば、及第点をクリアすることは可能であるのです。とすると、「皆が解けるような問題を確実に得点できること」が最も重要な目標とすべきでしょう。

そしてこの目標をクリアするためには、覚えるだけで解答できるような類の内容に関しては、他の人と同じように暗記をしておかなければなりません。

さらに言えば、暗記さえしておけば、10人中1人しか解けないような問題に正解することができなかったとしても、何もロスはないのです。

10人の中の選ばれた1人になるためにひたすら応用力を磨くのか、それとも及第点をクリアするためにしっかりと基本的な事項について暗記・理解をするのか、まずはどちらを目標として勉強するのがベターか、答えるまでもない問題でしょう。

では、暗記について考えていきましょう。

効率的な暗記方法について

暗記さえしていればある程度の得点をとることはできる、とは言っても、暗記しなければならない事項が多いのは実際のところ。そして、その量があまりに多いことから、途中で挫折してしまう方も少なくはないでしょう。

とすると、必然、効率的に暗記する手法はないのか、という方向に関心が向きますね。

おそらく『効率的な暗記方法』というものは存在します。

ただ、それぞれの人にとって何が効率的な方法かは変わってきます。書いて覚えるのが得意な人、目で見て覚えるのが得意な人、あなたのまわりにも色々なタイプの方がいるのではないでしょうか。

「効率的な暗記方法はないものか…」と思案しているあなたは、おそらく現状の自分の勉強法に満足できていないのだと思います。

とすると、まずは、自分がどのような方法であれば暗記しやすいのか、色々な方法を試行錯誤することからはじめてみましょう。色々な方法を試しているうちに、案外暗記してしまっていることもあるかもしれません。

大切なことは、「暗記をすること」です。

「効率的な暗記の方法を知ること」はあくまでもプロセスの一つでしかありません。

つまり、方法論にあまり気をとられていてはいけません。試行錯誤するという暗記法によって終局的な目的を達成できるのであれば、それはまた素晴らしい方法なのです。

暗記についての方法論

試行錯誤のお手伝いのために、暗記法を紹介したいのですが、その前にいくつかの方法について指摘しておきたいことがあります。ご参考までに。

語呂合わせはしない

まず指摘したいのが、語呂合わせはやめておいた方がいい、ということです。

理科・社会でよく提唱されるように、「いい国作ろう鎌倉幕府」的な暗記法ですね。

記憶に残ることから非常に価値があるようにも思うのですが、どうしても余計なものを暗記しているような気になってしまって、私には合いませんでした。

語呂合わせの方法については、「結局覚える量が増えるのだからこの方法は良くない」というようなことが言われます。

この観点からももちろん語呂合わせはおすすめしたくはないのですが、それよりもせっかく一生懸命勉強しているのに、何とも「陳腐」な気がしませんか?(語呂合わせが好きな人はごめんなさい)

集中して勉強しているときに、「いい国作ろう鎌倉幕府」というテンションになってしまうと、どうしてもやる気がそがれてしまうような気がして、あまり成果は上がりませんでした。

見て覚えるだけでは暗記できない

教科書をじっと眺めるだけで暗記できる方。本当にもれなく暗記できているのであれば、素晴らしい能力ですから是非その方法で暗記を進めて下さい。時間効率的にも最高の方法だと思います。

ただ、このような特殊能力がない方、私もその一人ですが、そのような方は、面倒かもしれませんが、ただ教科書を見て暗記する、という方法はやめておきましょう。無意識のうちに、頭が別のことを考えてしまっています。

そもそも勉強はツラいもの。さらに言えば、暗記はその中でも単純作業。人間にとっては厳しい作業です。それならば、単純作業を、より単純化してしまう方法、教科書を眺めるだけ勉強は避けるべきです。

書いて写すだけでは暗記できない

誰しも記憶にあると思いますが、中学生の英語の宿題で、「英単語をそれぞれ10回ずつ書いて来なさい」という内容の宿題が出されたことはありませんか?無駄です。

というよりも、10回ずつ書くことが目的になってしまっては意味がありません、ということです。暗記すべきタームをひたすら書くだけでは、それはただの習字の練習です。

頭に入れるという目的意識をもって、10回書く中でもしっかりと「何も見ないで書く→書けているか確認する→何も見ないで書く→…」というプロセスを経ているのであればOKですが、大抵の人は、このような自分に厳しい方法はとれていないのではないでしょうか。

これと関連して、ノートまとめが上手な方、落とし穴ですよ。

上手にノートをまとめる時間を、もう少し他の作業にあてることができます。あるいは、ノートをまとめるだけでは、どうしてもしっかりと意識をもった上でその作業をしない限り、無駄な時間が流れるだけになってしまいます。

もちろん、まとめた結果、これを利用して効率的に暗記をすることができる、という反論はありえるでしょう。それはその通りだと思いますが、私が言いたいのは、まとめる作業の間の時間が、ややもすれば無駄な時間になるおそれがある、という点です。

では、どうやって暗記をすればいいのか?

これだけそれぞれの方法について文句ばかりつけるのなら、お前はどうやって暗記してきたのだ、と思われるでしょう。

上で、長々と述べましたが、効率的な暗記法を模索している中で、結局「試行錯誤」法が自分には一番しっくりきましたので、それを紹介します。

具体的に説明すると、全ての方法を全投入してしまうのです。

「見て覚える+書いて覚える+音読して覚える+ノートまとめ」の暗記法

「1192年、源頼朝は鎌倉幕府をひらきました」という一節が教科書にあったとしましょう。当然のように音読します。音読しながら、キーワード「1192年、源頼朝、鎌倉幕府」をノートやメモ帳に殴り書きします。

頭の中で反駁します。声に出して、キーワードを耳から捉えます。視覚的にも確認します。暗記できた、と思うまで、手・目・声を使って、何度も繰り返します。

そして、おおよそ頭の中に入った頃に、まとめ用のノートに「1192年、源頼朝が鎌倉幕府をひらく」というような形で清書します。そして、最終的に、このまとめノートに赤色チェックペンをひいて、後から隠して反復できるように準備をします。

これで完成です。

準備ができて完成、というのはどうにも不思議な気がしないでもありませんが、これが非常に大切なことなのです。

よく、「暗記用のノートを作ってから暗記する」という方がいらっしゃいますね。これでは「ノート作りの作業」と「暗記する作業」が、完全に分断されてしまいます。非効率的ではないでしょうか。

それならば、暗記ノートを作る前に、まずは頭にいったん入れてしまうのです。その為の手段として推奨したいのが、利用できる知覚は全て利用する、というものです。無理やりでも一度、何かしらの方法で頭の中にひっかけてしまうのです。

そして、その上で、暗記用のノートをしっかりと作っていくのです。すると、暗記用ノートができたときには、一度、完全に暗記をすることができてしまっています。

二度目・三度目と繰り返すときに、この効果は実感できるのではないでしょうか。

参考リンク:ダメなノートのまとめ方!その取り方では成績は上がらない!

暗記をするペース・タイミングについて

暗記のコツ、という観点で自身の学生生活を探ったとき、決定的に成功したと評価できるのが、暗記をするペース・タイミングについてでした。

具体的な方法論については、上でお話した通り、それぞれの方が自分に適した方法を見つけるのが一番です。それよりも私がおすすめしたいこと、それは、暗記作業は継続し、反復すべき、ということです。

実際、英単語・日本史(大学受験の時の選択科目でした)については、中学生の頃から、朝の時間に、わずかな時間でも、これを暗記する時間を作っていました。

おおげさに思われるかもしれませんが、ほんの少し単語帳に目を通しながら、適当に音読するだけです。それでも、毎日毎日継続していれば、嫌でも頭に残るものです。

どちらの暗記が効率的ですか?

もし、以下のどちらかの方法で暗記をしなければならない時、どちらの方が効率的と思いますか?

  • 毎日15分、1週間で105分、英単語を暗記する
  • 1週間に1日だけ2時間英単語を暗記する

どちらの方が頭に残るでしょうか?

そして、これを何カ月も何年も続けたとき、どちらの方が効果ありと言えるでしょうか?

数学公式の暗記について

数学の公式についても少し触れさせてください。それは、理科や社会という教科とは暗記の性質が少し違うからです。

公式全般について

数学の公式の暗記、という言い方自体に実は違和感があるのですが、とにかく言いたいことは、数学は暗記するものではありません、ということ。

もちろん、何故が定期テストでは数学の試験なのに公式の穴埋めをさせるような出題がされることがあります。この種の問題を解くためには、確かに公式は暗記しておかなければならないでしょう。

ただ、そもそも入試問題において公式の穴埋め問題は出題されませんし、公式とは「使い方」を覚えるもの。つまり、しっかりと実際の問題にあたりながら、公式をどのような方法で利用して、解答を得るのか、ということに集中していれば、結局公式なんてものはいつの間にか頭の中に入っています。

したがって、数学においては、正攻法の勉強法をとっていれば、わざわざ公式の暗記という時間を割く必要はありません。

証明問題について

特に、中学生の方に対して伝えておきたいのですが、「証明問題の穴埋め」が出題されることがあるでしょう。授業で学習した証明の流れを「暗記」して、定期テストでそれを吐き出すということを中学三年生あたりで経験すると思います。

証明問題は、中学生ではじめて出てきますよね。難しいと感じる気持ちは分かります。結果、暗記でやり過ごそうとするのも理解できます。が、暗記では対応しきれない問題の方が多く存在するに決まっている、ということを、皆さん本当は気づいているでしょう?

それならば、多少苦労は多いかもしれませんが、しっかりと理解して数学を学ぶことに努めて下さい。

さいごに

いくつもの暗記法があります。暗記のための便利グッズも市販されていまし、暗記のコツといったものも多く紹介されています。あまりに多いために混乱してしまうかもしれませんが、まずは、何よりご自身にあった暗記法を探ることが大切です。

そして、暗記法を探る中で、一つの方法だけに決め打ちしてしまってはいけません。臨機応変に、「どうすれば頭に残るのか」ということを意識しながら、科目ごとに方法を修正しつつ、それでいながら最終的な目的は見失わずに臨機応変に対応することがポイントでしょう。

覚えてしまえば頂きです。こんな分かり易い形で成果が出る領域は他にはありません。

 

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