単項式と多項式を分かり易く解説!式の整理は数学の基礎

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中学で数学を学習する段階になって、小学生までの算数と大きくかわる部分が、「式に文字が含まれる」という点でしょう。

負の数が登場することと並んで、数学の最初の壁として立ちはだかることになります。

文字式というものは誰にとってもややこしいものです。

なぜなら例えばアルファベットだけを考えたとしても26個の文字があり、それらをさまざまな形で組み合わせることができるわけですから、これらによって構成される数式が複雑怪奇にうつるのはむしろ当然のことです。

そこで、この文字式を一定の観点から整理・分類することが必要になるわけです。

そして、この整理の方法として最初に学習するのが「単項式・多項式」という方法というわけです。

以下では、単項式と多項式についての説明をしていきますが、あくまでも「式の分類、性質を決定するため」という目的意識をしっかりと持って、学習を進めましょう。

単項式とは

ただ一つの「項」しか持たない多項式を、単項式と言います。この説明では何のことだかわかりませんね。

言葉を学ぶよりも、実際の文字式を経験することによって、それが単項式であることを学ぶことが大切です。

【2x²y】という文字式について

2x²yという文字式は「単項式」です。これは、

2x²y=2 × x × x × y

というように、積(掛け算)だけの形で文字が繋がっているという特徴があります。

このように、積で連結されているものを一つのまとまりとしてみる、つまり、これを「」と呼び、この「項」が一つしか存在しない文字式を単項式、と呼ぶのです。

次数とは

そして、もう一つ大切なことがあって、それはこの文字式の「次数」についてです。2x²yという単項式では、文字が3つ掛け合わされています。

したがって、この点に注目して「2x²yの次数は3である」という言い方をするのです。

最初に述べたように、単項式・多項式という分野を学習する目的は「式の性質を決定する」という点にありました。

そして、ここでは「項がいくつあるのか」という観点と、「その項の次数がいくつなのか」という観点から、性質が決定されることになるのです。

1文字だけの文字式について

例えば一文字だけの「b」という文字式について考えてみましょう。bはbじゃないか、と思われるかもしれませんが、式の整理の観点から見たときに、bという文字式についても性質を決定することができます。

つまり、bという一つの積によって構成されていることから「単項式」ですし、文字が1つだけであることから、「次数は1」であることがわかります。

 簡単な例題を解いてみよう

【4x³y²z⁴】という文字式について

文字式は複雑に見えるかもしれませんが、以上で述べたような分類をすることは比較的容易ではないでしょうか。

つまり、【4x³y²z⁴】という文字式は掛け算によってのみつながっているので【単項式】であることがわかります。

またここで掛けられている文字はxが3つ、yが2つ、zが4つであることから【次数は9】であることがわかります。

単項式のまとめ

このように、無秩序にみえる文字式であったとしても、統一的な分類をすることができるという意味で人に伝えやすくなります。その役割を担うのが、単項式・次数という概念なのです。

単項式自体は難しいものではありませんが、算数とは違う、数学の基礎です。しっかりと理解しておきましょう。

多項式とは

多項式とは

多項式とは、単項式がいくつか合わさったものであると理解すれば足ります。以下で、具体例を見ながら経験を積むという方法によって習得を目指しましょう。

 【xy²+x²y²】という文字式について

この文字式について、xy²だけであればこれは単項式ですし、また、x²y²だけであってもこれは単項式でしょう。

しかし、ここでは二つの単項式が足されていることで、一つの文字式を形成しています。このように、いくつかの単項式の和あるいは差によって表現される文字式のことを多項式と言います。

多項式における次数の扱い

注意点

そして、ここでも次数について検討する必要があるのですが、多項式の場合の次数の扱いには注意が必要です。

つまり、式全体に含まれている文字の数を全て数え上げてはいけません。今回であればxが3つ、yが4つと数えてしまって、この多項式の次数が7であると判断してはいけないのです。

多項式の次数の調べ方

では、どうすればよいのかと言いますと、それぞれの項(単項式にあたる部分)の次数を見比べ、その中で一番大きな次数が、多項式の次数として扱われるのです。

具体的にみていくと、今回の多項式には【xy²】という項と【x²y²】という項の二つがあります。

それぞれの次数は【xy²の次数が3】【x²y²の次数が4】ということになります。

この中で一番大きな次数は【x²y²の次数4】となりますので、これがそのまま多項式の次数として扱われます。

したがって、【xy²+x²y²の次数は4である】ことになります。

次数を調べてみよう

【xy+x²y⁴+z⁷】という文字式の次数を調べてみましょう。

xy、x²y⁴、z⁷という3つの項が存在することから、【多項式】という性質が与えられます。

そしてそれぞれの項の次数を見比べると、z⁷の次数7が一番大きな次数であることになりますので、この多項式の「次数は7」であることになります。

文字式、それも多項式は無限に存在することになりますが、このような分類をすることで一応の一つの性質を導き出すことができます。このように、無秩序なものを分類する物差しのような役割を持つのが、多項式・次数という概念であるということを実感することが大切です。

多項式の計算(式の整理)

さいごに、多項式については、場合によっては式を更に簡単な形で表現することができる場合がありますので、以下で例を挙げてみたいと思います。いわゆる「式の整理」といわれる作業で、今後の数学では必須の能力となります。

この作業も無限のパターンがありますが、「共通の文字に注目する」という観点を大切にすることに注意をすれば問題ありません。

「式の整理」する

上で挙げた、【xy²+x²y²】という文字式について検討してみましょう。このような表記方法でももちろん問題はないのですが、もっと簡潔な表現方法を探ってみて下さい、というのが式の整理という作業の目的です。

例えば、今回であれば、二つの項について、xy²が共通しているということはわかるでしょうか。xy²にはxy²が含まれていますし、x²y²にもxy²は含まれています。とすると、

xy²+x²y²
=xy²(1+x)

という式変形ができるわけです。分かりにくいという方は、二段目の式を展開してみましょう。つまり、

xy²(1+x)
=xy²×1+xy²×x
=xy²+x²y²

という形で元に戻すことができます。大切なのは、二段目の作業です。このように()を外すことが文字式でもできるか、ということが問われているわけです。

簡単な問題をもう1問解いてみよう

もう一つ【ac+bc】という文字式について考えてみましょう。これは多項式で、次数は2であること簡単にわかりますね。

各項で共通の部分を探すとcが共通であると見つけることができるでしょう。とすると、

ac+bc
=c(a+b)

というように式を整理することができます。展開をして、元に戻ることを確認して下さい。

さいごに

あくまでも、単項式・多項式というものは、文字式を分類するための一つの着眼点だということを意識して下さい。

そうでなければ、一体何のためにこのような作業をしなければならないのかが分からなくなってしまいますし、しいては記憶に定着しにくくなってしまいます。

特に、次数の求め方などについては、公式を利用するというジャンルの問題ではない以上、その内容を確実に暗記する必要があることからも、数学の中では少し特殊な分野であるということもできます。

したがって、どうすれば記憶に残りやすいのか、という点にも配慮しつつ、しっかりと定義を定着されることが重要と言えるでしょう。

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