飽和水蒸気量を読み取ってみよう
さて、まずこのグラフと表をみたときに、飽和水蒸気量がどのような性質をもっているかよみとってみましょう。
気温℃ | 10 | 20 | 30 |
飽和水蒸気量(g/㎥) | 9.3 | 17.2 | 30.4 |
例えば、気温が10℃のとき、飽和水蒸気量は9.3g/㎥です。また、同じように20℃のときは17.2g/㎥、30℃のときは30.4g/㎥であることがわかりますね。
ここから、気温が高くなれば飽和水蒸気量も当然に多くなるということを読み取ることができるでしょう。さらに、ここで示されている以外の温度の場合であっても、おおよその数字を読み取ることもできますね。
湿度について考えてみよう
例えば、気温が30℃のときに、水蒸気量が17.2g/㎥であったとしましょう。図の水色の部分ですね。このときの湿度を求めてみましょう。つまり、先程の公式より、
湿度=17.2(g/㎥)÷30.4(g/㎥)×100
=約57%
と、求めることができます。
露点について考えてみよう
気温30℃における水蒸気量が17.2g/㎥である場合に、気温をどんどん下げていくと、どの時点で水滴が発生するでしょうか。
これは、20℃の飽和水蒸気量が17.2g/㎥であることに注目すればわかりますね。
つまり、20℃の時点で、空気中に含むことができる水蒸気量と全く同じだけの水蒸気量を溶かしていることになるので、これよりも少しでも気温が下がってしまうと、空気中から水滴があふれ出てしまうことになります。
したがって、この場合の露点は20℃であることがわかるのです。
溶けだした水滴量について考えてみよう
では、さらに気温を下げ続けて10℃まで下がったとしましょう。この時、どれだけの水滴が発生するか読み取ることができますか。
ここまでストーリーだてることができれば簡単にわかると思います。
つまり、20℃で溶けだした水滴が、更に気温を下げることによってどんどん増えていきます。そして、10℃の状態では、空気中にとけることができる飽和水蒸気量が9.3g/㎥であることから、これを超える部分は、全て水滴として発生してしまうことになるのです。したがって、
17.2(g)-9.3(g)=7.9(g)
の水滴が発生することになります。
さいごに
以上でみてきたように、飽和水蒸気量や露点が問われる問題では、今間で述べたようなストーリーを頭の中に作ることができれば一連の流れとして全ての問題に解答することができます。
グラフをぼんやりと眺めるだけではなく、実際に溶けているイメージ、溶け出すイメージを重ねることができれば、より効率的に問題を解きすすめることができるでしょう。
そして、その段階になれば、飽和水蒸気量の問題は、むしろ得意分野になっているのではないでしょうか。
グラフ問題一般に言えることですが、先程述べたように、できるだけたくさんの情報を読み取る練習を重ねることが上達の鍵です。しっかりと練習を重ねましょう。