日本史の勉強法について!京大合格者が語る知っておくべき事とすべき事

受験七不思議(他に何があるかは知りませんが。)の一つ、「学校の日本史の授業は進度が異常に遅い」は、公立高校・私立高校に共通して炸裂します。

結果、日本史受験生は共通して同じ悩みを抱えることになります。

「日本史は独学しなければいけないのか?」

結論を先にお伝えしておきます。

その通り、日本史は基本的に独学するものです。

日本史の勉強の基本姿勢

日本史の勉強は独学でするものです。もちろん、学校の授業の解説や補習授業などは大切にしなければなりません。

ただ、学校の勉強から学ぶ、というスタンスではなく、自分で勉強するペースの中に、学校の授業などの機会を利用して取り込んでいく、というスタンスでいることが大切です。

基本的に学校のカリキュラムは、高校三年間をかけて指導要綱を網羅することを目的としています。

とすると、全ての指導が終了するのは高校三年生の三月。受験は一月。既に間に合っていませんね。

そして、学校側もこの矛盾は承知していますので、少しずつ進度を早めようとするのですが、どうにも勢いがつきはじめるのが遅い。そして、ギリギリ滑り込むのがやっと、というのが普通です。

限られたコマ数である以上、学校に期待するのはそもそも間違えているのです。学校を責めてはいけません。どうしようもないのです。

それならば、自分自身がこの問題に対応するしかありません。

試験日から必要量を逆算すると

例えば1月の本試験までに完成させるためには、どの段階で一通りの学習を終えている必要があるのか、試験までにどれだけの勉強を繰り返したいのか、などの事情を総合的に逆算しながら考慮すると、予想以上に一度目の日本史通読を終わらせていなければならないことに気が付くでしょう。

とすると、どうしても独学で日本史を勉強せざるをえないのです。

まずは姿勢をはっきりさせることからはじめましょう。

日本史の勉強法~基本編~

独学で挑むのが当たり前、という前提でいくと、日本史に関しては自分でカリキュラムを組む必要があります。

最初に決めるべきこと

とすると、まず決めなければならないのが「いつまでに一周目を終わらせるのか」ということでしょう。日本史=歴史、ですから、まずは通読しきることが大切です。

これについてはそれぞれのライフスタイルや学校の進捗事情、どの段階から本格的な受験勉強を開始するのかという点を考慮せざるを得ないので「必ず」という訳ではないのですが、理想は「夏休みが終わるまで」に、一通りの学習をまずは終えているのが理想でしょう。

時間がある夏休みの間に、毎日少しずつでも教科書を読み進めることが必要です。

なぜ一周終わらせることが重要か?

一周終わらせることがどうして必要か、それは、どの分野の比重が重いのか、という全体像を知ることが目的です。

単純に「教科書のページ数=暗記量」「進行年度数=暗記量」ではないのが日本史の特徴。

例えば、明治以降、「政府」という概念が発生します。ここからは、それぞれの政府で行っている政策などを把握する必要があります。

たった数ヶ月しか進んでいないのに、暗記しなければならない量が非常に多いということはざらです。このように、箇所によって比重が異なる、ということを、早期の段階で、肌で知っておいた方が、受験期のカリキュラムを更に立てやすくなります。

一周目の勉強法

一周目の勉強方法としては、まずは教科書をしっかりと読み込むことが大切です。

「自分のノートをまとめながら」という勉強法がダメだとは言いませんが、結局教科書に書いてあることは基本的に全て覚えなければならないのが日本史です。

とすると、まとめる作業をしているとどうしても時間が足りません。時間的な余裕があるのであればノートまとめは非常に有効な手段ですが、他方で早期に一周目の学習を終える必要があるという要請が働くのも事実。優先順位を比較考量した上で、適切な学習方法を選択して下さい。

教科書の読み込みと、用語集の適宜参照。山川出版のものであれば、教科書に対応した用語集・用語問題集があることは皆さんご存知でしょう。

これらを利用して、できるだけ早期の学習を意識しましょう。

参考リンク:ダメなノートのまとめ方!その取り方では成績は上がらない!

日本史の勉強法~中級編~

どうしても後回しにしがちなのが「文化史」ですね。

分かります。本当に面倒です。そして楽しくない。

美術品やら仏像の名前、細分化された仏教と各寺の名前など、日本史ではどうしてもテンションがあがらないモノがあります。

次で述べる「テーマ史」とは違って、比重が軽いものは一つもありません。必ず出題されてしまいます。ということで頑張って覚えるしかありません。

テンションがあがらないけれども覚えなければならない、というのはなかなかツライもの。

気合で乗り切れる方は勢いで乗り切ってしまうべきです。

文化史の暗記のコツ

私は、かなり長い時間をかけて文化史を乗り切りました。そして、

「ああ、薬師如来坐像って綺麗な肌ツヤしてるなぁ」
「平城京の朝堂院ってめっちゃかっこいいやん」

という意味不明の印象付け(洗脳?)をして、なんとか記憶に残るように工夫していました。

どうしても文字だけで記憶するのは難しいですが、文化史の唯一のメリットは写真などを利用した視覚的な印象付けが可能な点。これを本格的に活用することで、頑張ってクリアして下さい。

日本史の勉強法~応用編~

学習が進んでくると、「テーマ史」というものを意識せざるをえないでしょう。

その通り、テーマごとの学習は、どこを受験するのかにかかわらず非常に大切なポイントです。

テーマ史の学習をするためには、全体的な理解をしていることが必須となります。

例えば、「日本と朝鮮半島との外交関係」というテーマについて考えなければならないとすれば、どう考えても古代史から近代史までを「横断的」に知っておかなければならないことは受験生ならば簡単に理解できるはずです。

テーマ史の勉強法

さて、テーマ史の勉強法について言えば、ノートをまとめるべきでしょう。

テーマ史の重要性は予備校等もしっかりとわかっていますので、これに焦点をあてた参考書が出版されています。が、どうしてもこれらの参考書は「重要なポイント」だけをピックアップする傾向があります。

日本史受験の大前提なのですが、「教科書にのっていること」から出題されるのが基本です。「予備校参考書にのっていること」から出題されるわけではありません。

とすると、自分が学習の際に依拠するのは、常に教科書でなければなりません。

ただ、残念ながら、教科書は全体の知識をもれなく掲載する必要があるので、どうしても年代別の構成をとらざるをえません。この点で、要領よく学習することを目的とした予備校本には劣ります。

テーマ史のノートのまとめ方のコツ

そこで、市販の予備校本の「見出し」だけはパクってしまって、それぞれの内容は教科書から自分で拾ってノートにまとめる、そして、「自分だけのテーマ史参考書」を作ってしまいましょう。

テーマ史だけをまとめるのであれば、そこまで時間はかかりませんし、かつ、テーマ史をまとめる段階で、常に横断的な視点で日本史全体を眺めることになるでしょう。目覚ましく日本史に対する理解が深まります。

ちなみに、テーマ史の中にも優先順位はもちろんあります。

そして、増やそうと思えば、どれだけでも「テーマ」自体を作り出すことができてしまいます。深入りしすぎると際限なくなってしまいますので、ある程度の節度も忘れないように。

勉強に深入りしすぎないことも必要

例えば、最近なぜか「クイズ番組」が流行っていますよね。その世情のせいか、日本史についても「マニアックな知識をもっている=すごい」という感覚がもたれているように思います。

ただ、受験勉強的な観点で言えば、節度を超えたマニアックな知識には何の意味もありません。分かり易い例が、戦国武将に関するものでしょう。

大河ドラマでもあれこれ取り上げられますし、小説・アニメなどでもこの範囲を題材にしたものが非常に多い。

ただ、受験ではこのようなものは深く問われません。各戦国武将の幼少期云々やら兄弟がどうのこうの、というものは、あくまでも趣味のものだと割り切るべきです。

仮に出題されたとしてもたかだか一問多くて二点。その二点をとるための勉強と、重要なポイントを三十点とるための勉強、どちらを優先すべきかは考えるまでもないことでしょう。

資料問題について

本試験などでも本格的に問われるのが資料問題。

どの時代の、何に関連した資料なのかを判別できなければ、後続する問題が一切説けないという「エグイ」出題がされうる場合もあります。

教科書でも、資料については最低限の内容が引用されているかと思いますが、おそらく学校で指定された資料集があるはずなので、各自、手元には一冊は資料集があるでしょう。

面倒に思われるかもしれませんが、できるだけ多くの資料については目を通しておくのがベターでしょう。

「古典の勉強にもなる」という形で、無理にでも割り切らざるをえません。

日本史の過去問対策はいつから?

日本史の場合、英数国とは違った意味で過去問を活用することができます。

というのも、あくまでも独学が前提とされがちな日本史。そして、入試問題というものはできるだけ受験生の「差」をつけるために出題がされるもの。

ということは、必然的に、今まで勉強したことがない観点から問題が出されることが多くなります。

つまり、日本史の過去問は、うまく使えば「新しい参考書」として活用することができるのです。過去問で触れることで「あ、こんなテーマ史もあるんだ」というように、新たな発見をすることができます。

この観点から言えば、日本史に限って言えば、比較的早い段階で過去問に触れ始めることは無駄なことではありません。

英数国では、どうしても一度解いてしまった問題を何度も解くことから得られる成果が少なくなりがちです。

しかし、日本史の場合には、記憶の定着が終局的な目標である以上、これが達成されるまでは何度でも問題をとく価値があります。

様々な観点から日本史を理解する癖をつけるという意味でも、ジャブを繰り返すことは無駄ではありません。

ここから、受験する学校以外の過去問であったとしてもどんどん積極的に触れていくことが推奨されるのです。

日本史を独学で学ぶ事の落とし穴

独学の最大の落とし穴は、間違った理解をしていたとしてもそれに気付くことができない、ということです。

ということで、少しでもわからないことがあれば、できれば第三者への質問の機会をもつべきです。

先生には質問をしよう

学校で学習している範囲と違う箇所を先生には尋ねにくい、と思われるかもしれませんが、先生が熱心な生徒を足蹴にするはずがありません。

(かなりの偏見ですが)日本史の先生は、風変りな方が多くありませんか?日本史の先生は、たぶんかなり教科愛が強いはずですので、喜んで聞いてないことまで答えてくれます。

友達との会話でアウトプットを

そして、さらに大切なことは、一緒に勉強する仲間を作るということ。

日本史の問題を出し合える友達を見つけることです。一人で勉強して、教科書と会話して…ということが基礎になる学習です。ただ、インプットの時間ばかりでは飽きてしまいますし、色々な意味において閉塞的になってしまいます。

そのようなときに、友人と問題を出し合ったり、日本史についてあれやこれやと話をする機会をもつことは、アウトプットという意味において非常に有効です。かつ、自分では気づかなかった重要なポイントに触れることもできるかもしれません。

どの科目についてもそうですが、一緒に頑張ることができる仲間は貴重な存在です。

そして、こと日本史についても、この効用は無視することはできません。

どうしても英数に比べると優先順位が後退してしまうのもまた事実です。したがって、暗記できるために、効率を上げることもまた、忘れてはいけません。

参考リンク:効率の良い勉強法を実現するために!あなたがすべきこと!

私の日本史の勉強法

私が実際にした勉強法を簡単にまとめておきます。

山川出版の教科書・実教出版の教科書がベース。そして、山川出版の用語集・用語問題集で、単発的な問題を繰り返すことで用語の暗記を図りました。

教科書に直接赤色チェックペンをひいて緑シートで隠して暗記、というベタな作業も欠かしませんでしたね。

通史のまとめノートは作りませんでしたので、教科書はかなり使い込みました。結果、最終的には背表紙がとれてしまったのでガムテープで補強せざるをえませんでした。

ただ、それくらい暗記を繰り返していました。

テーマ史については、後からどんどん追加して書き込む必要があったので、ルーズリーフにまとめるようにしていました。ノートだとどうしても容量に限界がありますが、この辺りはお好みに任せます。

おそらく、極めて王道の勉強法ではないかと思います。

結局日本史は努力がモノを言う科目。時間をかけるだけ(というより反復するだけ)成果が表れます。簡単に成績が伸びますので、勉強すればするほど勉強のやる気がでました。

最終的には、どの入試問題を解いても九割を割らない程度には習得できていました。

さいごに

他の社会科目と比べて、細かい知識までが要求されるのが日本史の特徴です。

「教科書に書いてあることは全部覚えなければならない」と考えると、正直かなりしんどいな、と思わざるをえないのも分かります。

だからこそ、何度も繰り返すのです。「全て覚える」のが最終的な目標ではあるのですが、実際のところ、これを完璧に達成することは不可能でもあります。

ということは、「できるだけ完璧な状態に近付けること」が現実的な目標になります。

このためには、一度暗記をしただけではどうにもなりません。何度も何度も教科書を読みこみ、何度も何度も問題を解く。これを繰り返して、入試本番にはできるだけ自分の頭の中をベストの状態にもっていく、これが目標です。

あと、心の支えになるかはわかりませんが、単純に暗記量だけを比べると世界史よりも量は少ないらしいです。

「あいつらよりかはまだマシなんだ」と思うことにどれだけの意味があるのかは怪しいところではありますが、正直私はこの点でかなり救われた部分があるのは内緒です。

覚えてしまえば何でもいいんです。頑張って得意科目にしてしまいましょう!

 

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