三角錐の体積と表面積の求め方!計算プロセスがよくわかる図形のイラスト付き

今回学習する三角錐は、中学生で学習する図形の中でも比較的難しい範囲だとされます。その理由はおおよそ以下の二点であると考えられます。

一つ目は、「錐」という図形がもつ難しさです。すなわち、この範囲で与えられる公式は、どうしても実際の図形からはイメージし難く、暗記せざるをえないということです。

また、二つ目の理由として考えられるのは、三角形の処理を複合的にする必要があることです。すなわち、三角錐では、底面・側面の全ての面が三角形であることから、三平方の定理等の公式をかなり駆使する必要があるのです。

しかも、それをいくつもの場面で繰り返さなければならないので、解答に至るまでのプロセスを自分でしっかりと把握しなければならないのです。

したがって、この範囲の学習にあたっては、まずは三角形の面積等の復習を先にしておくことをおすすめします。

1.三角錐の体積の求め方

1-1.三角錐とは

三角錐とは、このように底面が三角形で、頭が尖がった形をした図形のことを言います。

中学生の範囲では、複雑な形状の三角錐が出題されることはありません(高校数学で三角形に関して使用すべき公式の量がかなり増えます)。

したがって、三平方の定理や、そもそも三角形の面積の求め方の理解に不安のある方はしっかりと復習をしてください。

1-2.三角錐の体積公式

【錐の体積】

底面積×高さ× (1/3)

三角錐に限らず、錐の体積を求めるには柱との関係で捉えるとよいでしょう。つまり、柱の体積に3分の1をかければ、錐の体積が求まるという関係にあります。そして、これを三角錐に関して表現すると、

【三角錐の体積】

底面積(三角形の面積)×高さ×(1/3)

このように表現されることになります。

1-3.問題

【問題】

AB=AD=4cm、AC=3cm、∠BAC=∠CAD=∠DAB=90°の時の、三角錐の体積を求めなさい

ここからは、今、どの三角形を前提として考えているのか等のプロセスをしっかりと追いつつ、理解を深めて下さい。

1.底面を選ぶ

まず、上の公式に当てはめることができるような底面をどれにするか選びます。この選ぶコツは、「対応するわかり易い高さがあるか」という観点を用います。

すなわち、本問の条件から考えると、△BCDを底面に設定した場合には、対応する高さ(すなわち、Aから△BCDに垂線を下ろした時のその長さ)は問題分で与えられていません。したがって、この場合に△BCDを底面に設定することは誤りです。

では、△ABDを底面に設定した場合はどうでしょうか。この場合は、∠BAC=90°なので、ACの長さが三角錐の高さとなります。直線ACと△ABDは垂直に交わっているからです。したがって、これを底面に設定すればよいでしょう。

△ABDは以下の図のようになります。

底面の面積は以下のようになります。

△ABD=底辺×高さ×(1/2)
=AB×AD×(1/2)
=4×4×(1/2)
=8㎠

2.対応する高さを踏まえて公式に代入

1で対応する高さがある前提で底面を選んでいるわけですから、当然に対応する高さははっきりしているでしょうが、公式への代入を誤らないで下さい。すなわち、本問では高さはAC=3であることから、以下のように求めることができます。

三角錐の体積
=底面積×高さ×(1/3)
=△ABD×AC×(1/3)
=8×3×(1/3)
=8㎤

2.三角錐の表面積の求め方

三角錐の側面は、全て三角形です。したがって、三角形の面積を求める方法を四か所で行うことで、必然的に三角錐の表面積を求めることができます。

しかし、よほど特殊な数値設定がされない限り、三角錐の表面積を一度に簡単に求めることはできません。したがって、基本的な図形処理能力が問われます。

2-1.表面積の求め方

【問題】

AB=AD=4cm、AC=3cm、∠BAC=∠CAD=∠DAB=90°の時の、三角錐の 表面積を求めなさい

これは一つずつの三角形の面積を求める作業となります。1つず図を展開して考えてみましょう。

[△ABD]


4×4×(1/2)=8

[△ABC]


4×3×(1/2)=6

[△ACD]


4×3×(1/2)=6

ここまでは簡単ですね。では、残りの△BCDはどうでしょうか。問題文では一切情報が与えられていないことから、自分で分析する必要があります。

2-2.三平方の定理を使用

△BCDの各辺の長さを求めるために、他の3つ三角形の辺の長さを求めます。

△ABCについて、三平方の定理を使用します。

AB²+AC²=BC²
4²+3²=BC²
BC²=25
BC=5

△ACDについても同様に三平方の定理使います。

AC²+AD²=CD²
CD=5

最後に、△ABDについても同様に、

AB²+AD²=BD²
4²+4²=BD²
BD=4√2

ここから、△BCDについて読み取れることは、CB=CD=5、BD=4√2の二等辺三角形であることが分かります。

2-3.△BCDの面積の求め方

では、この三角形の面積を求めることはできますか。自分の手で図を描いてイメージすることが大切です。

まず、CからBDに垂線を引きます。BDと交わる点をEとしましょう。すると、二等辺三角形であることから、BE=ED=2√2ということがわかります。

△BCEについて考えましょう。この三角形は直角三角形であることから、三平方の定理を利用することができます。

BE²+CE²=BC²
8+CE²=25
CE=√17

これによって、

△BCD=BD×CE×(1/2)
=4√2×√17×(1/2)
=2√34

となります。

三角錐の表面積

本問における三角錐の表面積は

8+6+6+2√34
=20+2√34㎠

と、求めることができます。

参考リンク:二等辺三角形の性質と辺の長さの求め方!押さえておきたい三辺の長さの比

さいごに

いかがでしたか。特に最後の問題は少し難しかったかもしれませんまずは、この解答プロセスをしっかり読みながら図を描いて、一つずつ読解しましょう。そして、ストーリーの全体像が分かれば、もう習得したも同然です。

また、中学生に入って、平方根を学習したことによって、今まで簡単だったはずの三角形の面積の問題でさえ、ややもすると、一苦労を要する問題に変わってしまうかもしれません。

三角錐に関連する問題の難しさが、このような実は基本的な三角形に関する処理や、計算の複雑化にあることが分かってもらえたかと思います。

したがって、三角錐の公式だけに注意を払うのではなく、体系的な学習視点を習得することを目指しましょう。

 

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