仮定法未来とは、現在や未来において簡単に起こるはずがないことを表す場合に用いる文法です。
未来と名前がついているので、未来の何かを表すのかと思ってしまいがちですが、あくまで現在と未来における仮定だということを認識しましょう。
仮定法未来と仮定法現在の違い
仮定法現在との違いは、仮定法未来の方がさらに強い仮定や想像を表します。
つまり、現実味を帯びていない仮定の場合は、仮定法未来を使うという認識を持ちましょう。
そこで、今回は仮定法未来の3つの用法を解説していきます。例文も併せて紹介するので、しっかりと押さえるようにしましょう。
仮定法未来の3つの用法
1.意志とは無関係に未来に起きる可能性が低い場合
「If+主語+should+動詞」の形で表します。
「もしかして…」「ひょっとして…」などのように、主語の意思とは無関係に未来に起こる可能性が低い場合に用います。
つまり、主語が自分であれば、「自分はそういうつもりはないけど、もしそうなったら。」という意味合いが強くなります。この表現は、命令形でも使用することができます。
例文
- If he should come back, his mother will be surprised.
(万が一彼が帰ってきたら、彼の母親は驚くでしょう) - If you should see her, say hello to her.
(もしあなたが彼女に会ったら、よろしくと伝えてください) - If my younger brother should finish this semester with his high score, my father will let him go to fishing in the summer vacation.
(もし私の弟が今学期を好成績で終えたら、お父さんは夏休みに彼を釣りに行かせるでしょう) - If you see him, what will you tell him?
(もしあなたが彼に会ったら、あなたは彼になんて言うの?)
2.意思があり、未来の可能性が乏しい場合
「If +主語+would+動詞」は、上記の主語の意思がない場合とは異なり、意思がある場合に用いる文法です。
上記が、主語の意思とは関係なく起こることを想像して使うことに対して、wouldを使う場合は、「主語が意思を持って行動したことに対して、どのようなことになるか」という意味合いが強くなります。
例文
- If you would be in this party, I will be very happy.
(もしあなたがこのパーティーにいたら、私はとても嬉しいでしょう) - If she would study Mathematics hard, she will be in a better university.
(もし彼女が頑張って数学の勉強をすれば、彼女はもっと良い大学に入るだろう) - If he would steal her neckless, you should have called the police.
(もし彼が彼女のネックレスを盗んだら、あなたは警察を呼んでいたでしょう) - If I would tell my mother about my thanks, my mother will be glad.
(もし私が母に感謝を伝えれば、母は喜ぶだろう)
3.可能性がほとんど全くない、あり得ない場合
「If+主語+were to+動詞」で表現します。
これは上記の2つの用法よりも可能性が低く、起こる可能性がほとんどない場合に用いられます。
それこそ、急に病気になった、事故に遭ったなどのレベルだと思ってください。
カンマ以下の文章は必ず、「wouldまたはshould+動詞」となるので注意しましょう。
ちなみに、このwereは口語の場合だと、主語によってはwasを使う場合があります。しかし、口語の場合なので、文章では少し違和感がありますがwereを用いるようにしましょう。
例文
- If my father were to have a big illness, my family would need to work very hard to get money.
(もし父が大きな病気になったら、私の家族は頑張って仕事をしてお金を稼ぐ必要があるだろう) - If anything were to happen to my family, I would go back home soon.
(もし私の家族に何か起きたら、私はすぐに家に帰ってくるだろう) - If my car were to be broken because of the accident, I would pay a lot of money to repair.
(もし私の車が事故で壊れてしまったら、私は修理にたくさんのお金を払うだろう)
仮定法未来のまとめ
最後に仮定法未来のまとめを行います。
- 仮定法未来とは、仮定法現在よりも強い仮定や想像に用いる文法である
- 主語の意思に関係ない場合の仮定文は、「If+主語+should+動詞」で表す
- 主語の意思が関係ある場合は、「if+主語+would+動詞」で表す
- ほとんど可能性がない場合の仮定については、「If+主語+were to+動詞」とし、カンマ以下の文章は「主語+wouldまたはshould+動詞」を用いる
- were toは口語の場合はwasになる可能性もあるが、基本的にはwere toを使うこと
- 仮定法未来は、未来のことではなく、現在と未来における起こる可能性の低い文章に対して用いるということを認識する
仮定法未来は未来という言葉がついているので、つい未来のことかと深く考えてしまい躓く方も少なくありません。
実際は現在と未来両方に使うことができ、より可能性の少ない仮定を表す場合に使うものだということを認識することが大切です。
仮定法未来は、未来という言葉に捉われすぎず、それぞれの用法の語順を覚えればすぐにマスターすることができます。
たくさんの例文を音読したり、自分で英作文を作るなどをして仮定法未来に慣れるようにしましょう。