速さ、距離、時間の公式と求め方

小学校高学年から算数の難易度が上がってきます。

特に小学5年生の算数は、速さや割合、比などが始まり、そこから算数に苦手意識を持ってしまう生徒さんが多い傾向があります。これらの単元の対策はどのようなものがあるのでしょうか。

今回は「速さ、距離、時間」について見ていきましょう。

速さ・距離・時間の公式

速さ・距離・時間を学ぶ上で最も重要なポイントは次の3公式です。

  • 速さ=距離÷時間
  • 距離=速さ×時間
  • 時間=距離÷速さ

この3つの公式がこの単元に関するすべての問題の基本となります。

公式を理解する上で重要なこと

上記の公式をきちんと覚えておくと、速さ・距離・時間の問題に対してそこまで苦手意識を持たずに取り組むことができます。ただ、どうしても公式を覚えることが苦手という子供も見られます。また、ただ暗記をすればいいというわけではありません。

重要なことは、公式の理屈を理解することにあります。速さは3つの公式が一般的に示されていますが、もともと考え方は一つです。「速さ」、「距離」、「時間」の関係は決まっており、それをもとに

  1. 速さを求める場合、
  2. 距離を求める場合、
  3. 時間を求める場合

で3種類に分けられるため、公式も3つ登場することになります。つまり、もともとの「速さ」、「距離」、「時間」の関係をきちんとおさえておけば、無理に公式を覚える必要はないわけです。

速さ・距離・時間を求めてみる

速さは、「一定の時間でどのくらいの距離を進むことができたか」を示します。これには「速さ」、「距離」、「時間」の全ての要素が含まれます。

例えば、8㎞(距離)を2時間(時間)で歩いたとします。この速さを時速で求めてみます。

速さの求め方

時速は1時間あたりにどのくらい進むかを示します。

8㎞を2時間で歩いたということは、8㎞を2時間で割る(距離÷時間)ことで、1時間あたりの「速さ」が求められます。

つまり、8÷2=4となり、時速4㎞となります。

これは、「速さ=距離÷時間」という公式になります。

距離の求め方

時速4㎞で2時間歩いた場合の距離を考えると、1時間で4㎞歩いて2時間かかったので、時速4㎞という「速さ」に2時間という「時間」をかける(速さ×時間)ことで、実際に歩いた「距離」の8㎞を求めることができます。

これは「距離=速さ×時間」という公式です。

時間の求め方

時速4㎞で8㎞を歩いた場合の時間を考えると、1時間で4㎞歩いて8㎞進んだので、8㎞という「距離」を時速4㎞という「速さ」で割る(距離÷速さ)ことで、実際にかかった「時間」となる2時間を求めることができます。

これは「時間=距離÷速さ」という公式です。

速さ・距離・時間の関係性を押さえる!

このように、「一定の時間でどのくらいの距離を進むことができたか」ということがこの問題の基本です。

時速4㎞という速さは、1時間という一定の時間で4㎞進むことができた、ということになります。これを求めるために、2時間という時間、8㎞という距離が与えられ、時速4㎞という速さが求められます。この基本を変えることなく、

  • 速さ=距離÷時間(4=8÷2)
  • 距離=速さ×時間(8=4×2)
  • 時間=距離÷速さ(2=8÷4)

の3つの公式が成り立っています。

速さ・距離・時間の公式にイメージを持たせる方法

速さを苦手とする場合は、3つの公式をただ覚えようとするのではなく、一定の時間でどのくらいの距離を進むことができたかという基本をおさえたうえで、理解することが重要です。

公式が3つもある、というイメージを持つよりも、全ての基本は同じであるというイメージを持たせることがポイントです。

しかし公式だけでイメージしづらいこともあるでしょう。その場合に有効な覚え方を2つご紹介します。

線分図を使う覚え方

線分図を使う覚え方を考えてみましょう。ここでは、線分図によって2時間で8㎞進んだということを示してみます。

まず横線を引きます。横線の上部にカッコなどで8㎞と書き込みます。これを2時間で進んだということにして、今度は横線の下部に2時間と書き込みます。

この線分図から、2時間で8㎞進んだということがわかります。

次に、この線分図を真ん中で分けると、上部が4㎞、下部が1時間となります。

つまり、1時間で4㎞進んだということが視覚的にわかりやすくなります。これは時速を示しています。

式としては「8÷2=4」となり、「速さ=距離÷時間」という公式そのままです。

このように、公式のイメージがつきにくい場合は、線分図から覚えると効果的です。特に横線を引いて距離を示すことは、距離のイメージを視覚的に持たせる際に効果的です。

面積図を使った覚え方

次に、面積図を用いた方法を考えてみましょう。

四角形を例に挙げると、面積は縦×横で求められます。「面積=縦×横」となりますが、これを「距離=速さ×時間」に置き換えてみましょう。

まず四角形の図を書きます。そして、縦に「速さ」、横に「時間」(縦に「時間」、横に「速さ」でも同じです。)を書き込み、最後に面積の部分に「距離」と書き込みます。

すると、面積のようなイメージで「距離=速さ×時間」という公式が頭に入ります。

これは、面積を「距離」とし、それを求めるための縦と横を「速さ」と「距離」に置き換えて考えるという方法です。こうすれば、「距離=速さ×時間」というイメージが持ちやすくなります。

また、先ほど見たように、速さの3公式の基本は全て同じです。「距離=速さ×時間」をもとにして、「速さ=距離÷時間」、「時間=距離÷速さ」という2つの公式も求めることができます。

速さの公式は、×なのか÷なのかで間違えるケースが多く見られます。理屈をおさえておくと正確になりますが、最初の段階では難しい場合もあります。そのようなとき、とりあえず「距離=速さ×時間」だけでも覚えておくと、正確さが増します。

その際に、面積図の形でイメージすると効果的です。

速さの問題は分数で求める

難易度の高い速さの問題では、割り切れない問題が出題されるおそれがあります。

「時間=距離÷速さ」で時間が割り切れない、などの場合です。

例えば、17㎞を時速3㎞で歩いた場合の時間、という例を考えてみましょう。この時間を求めるには「距離÷速さ」で17÷3となりますが、これを小数で求めると5.66666…となり、割り切れなくなります。

一方、これを分数で求めると、「5」と「3分の2」になります。

「5」は、5時間と時間ということになります。「3分の2」を分で表すと40分になります。つまり、17㎞を時速3㎞で歩いた場合の時間は、5時間40分ということになります。

分数に慣れさせておくことも必要

このように、割り切れない問題は十分に考えられるので、分数で求める方法に慣れさせておくことがポイントです。

割り切れない問題が多い、と子供が思ってしまうと、速さを苦手としてしまう原因にもなります。小学5年生のうちから、分数になるものは分数で求めておく、という習慣をつけておくと効果的です。

単位をきちんと揃える

速さ・距離・時間の問題は単位変換が重要です。単位変換でつまずいてしまうと、苦手意識もなかなか消えない傾向があります。

例えば、6㎞を2時間で歩いた場合の速さを求めると、時速は3㎞ですが、分速は50mになります。分速をmで求める場合、時速3㎞を3000mに単位変換し、3000mを60分で割り、分速50mと求めることになります。

単位は問題指定が関係する

設問において時速を聞かれたら時速3㎞と答え、分速を聞かれたら分速50mと答えなくてはなりません。

また、㎞で聞かてれいるのか、mで聞かれているのかも注意する必要があります。

上記の例では、時速3㎞を3000mに変換してから60で割り、分速50mを求めています。この問題で分速をmで聞かれている場合、どこかで㎞からmに変換しなければなりません。

3㎞から変換せずに分速を求めると、3÷60となり、分速は0.05㎞となります。ここから分速50mに変換してもいいですが、先に3000mに変換しておいた方が計算しやすくなります。

単位を確認するクセをつけよう

問題をきちんと読み、どの単位で聞かれているのかをチェックし、早めに単位を合わせておく習慣をつけておくことが重要です。

また、ミスを減らすために、問題文の単位の部分に線を引いておくなど、ちょっとした習慣をつけておくことも効果的です。

速さ・距離・時間の勉強法は感覚を身につけること

速さ・距離・時間の問題を得意とするには、まず基本を確認し、感覚を身につけることが重要です。そのためには、速さとは「一定の時間でどのくらいの距離を進むことができたか」を示すもの、という理屈を理解することが必要です。

公式だけでは覚えられない、という場合は、ご紹介した線分図や面積図などを使って視覚的に覚えることも方法の一つです。

分数で求めることや単位変換でミスをしないことなど、問題を解くうえで重要なポイントもあります。これらも基本とともに意識しておくと、より正確に問題を解くことができます。

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