国語のテストは、後半の問題と記述の点数が低いことが多いようです。
なぜなのでしょうか?
答えは簡単です。受験生たちにとって、国語のテストは時間が圧倒的に足りないのです。
例えば中学校の入試問題の構成は、漢字・知識の問題が少しと1~2題の長文読解が国語の定番です。時間はだいたい50分です。
漢字・知識を1番、はじめの読解を2番、次の読解を3番と仮定してみます。
すると、1・2番に30分以上かけてしまい、3番の本文を読み終えたときにはもう残り10分、選択問題はあてずっぽうで記述は真っ白!ということも少なくないのです。
中学受験を例に出しましたが、センター、大学受験でも同じです。こんな失敗を防ぐために、今回は読解の本文を速く読むテクニックを4つご紹介します。
1.始めは流し読み!じっくり読むのは問題を解くときに
読むのが遅い生徒にありがちなのが、始めからすべてを理解して読もうとする読み方です。一行ずつ全力で読むため、時間も労力もかかってしまいます。
まじめで頑張り屋さんタイプに多く、読み方を変えるのはなかなか難しいので、少しずつ変えていけるように早めに矯正したいものです。
1度目は自由に読んだ文をすぐにもう一度読んでみましょう。話が分かっているので、1度目よりは速く読めるはずです。このくらいのスピードで全体の流れを理解するために読むという経験をさせることで、肩の力を抜いて全体を把握する読み方につなげます。
受験が近づいたらタイマーを使って常に時間を意識させたほうが実践的です。読む時間を計るようにし、縮めるよう意識します。
説明文や論説文は“緩急”をつけて読む
説明文や論説文では、力を入れて読む部分と流し読みでよい部分があります。
では、流し読みでよい部分とはどこでしょうか。水質汚染についての文章で考えてみましょう。
- 水質汚染の原因は工場排水だけではありません。
- 例えばみそ汁や油をそのまま流すと川の汚染につながります。
- キレイにするために使う石鹸や洗剤も水を汚染します。
- つまり生活排水も水質汚染につながるのです。
この文で言いたいのは「水質汚染は工場排水だけでなく生活排水も原因になる」ということです。それが書いてあるのは1,4文目ですね。2,3文目は言いたいことを分かりやすくする具体例です。だから、2,3文目がなくても筆者の主張は理解できます。
つまり「例」は流して読み、その前後にある「主張やまとめ」はしっかり読めばよいということになります。
全体を速く読むのではなく、メリハリをつけて読むことで読む時間を縮めましょう。
2.分からない言葉はあって当然
受験で使われる文は、子供用の本ではありません。
扱うテーマも、生物・芸術・思想・言語・環境など様々です。物語文では舞台が戦時中や戦後の貧しい時代など、現代では使わない物や言葉がでてくることもあります。
だからこそ分からない言葉があるのは当然なのです。分からないことを見越して注釈があったり本文で意味が説明されたりすることもあります。もちろん分からない言葉だらけでは進めませんが、ある程度分からない言葉はあるという前提でいてください。
分からない言葉は飛ばして読んだり、漢字や前後の文から意味を推測したりして読み進めていきましょう。決してそこで止まったり諦めたりすることのないようにしてくださいね。
普段から分からない言葉を調べておけば、語彙力は上がります。一度調べただけでは忘れてしまいますが、それで良いのです。同じ言葉をどこかで見かけたとき、「あ、前に調べたな」と思えれば大成功です。何度も繰り返し見ていくことで、言葉は脳に定着します。
3.集中力を鍛える
国語が苦手、もしくは嫌いな生徒に多いのが集中力不足です。得意なものや好きなものには集中力を発揮できますが、そうでなければ集中力は続かず、途中からはダラダラ読んで内容が頭に入っていないこともあります。
このタイプはまず集中力を鍛える必要があります。
家で勉強する時は、時間を区切って集中できる環境を作りましょう。
集中して問題に向かう時間を作れるようになったら、少しずつその時間を延ばしていきましょう。とはいえ集中力はそう長くは続きません。30分や1時間を1セットとして、セット数を増やしていくのが良いですね。
4.自己分析が大切
国語に限らず勉強は、まず弱点を見つけることが重要です。
- 流し読みはできているか
- 詰まっているのはどこか
- 集中力は続いているか
弱点を見つけたら潰せばいいだけです。本文を読むのが速くなれば、その分問題を解いたり見直しをしたりするのに時間を使えます。
受験勉強は大変です。弱点克服は効率よく行いましょう。応援しています。