作用と反作用の法則って何?勉強のポイントは体系的に理解すること

物体がさまざまな運動をする様子を分析するためには、闇雲にあたりをつけるのではなく、いくつかの基本法則にしたがった処理をしなければなりません。

そのような基本法則のうち、今回は作用・反作用の法則についてご説明したいと思います。

定義だけを暗記するのは簡単でしょうが、実際の事象の中で、作用・反作用の力がどのように働いているのかを捉えることが重要となります。

作用と反作用

 

例えば、太郎と次郎がお互いに押し合っている場面を想像して下さい。

この場面をもう少し厳密に表現すると、太郎が次郎を押しており、これに対応する形で、次郎が太郎を押し返しているということができるでしょう。

このとき、太郎が次郎を押す力のことを「作用」、次郎が太郎を押し返す力のことを「反作用」と言います。

つまり、物体に力を加えたとき、逆にその物体からも力を受けるということになり、ここで言うそれぞれの力を「作用」「反作用」と言うわけです。

作用・反作用の法則

そして、大切なことは、押す力と押し返す力は、「向きが反対で、大きさが等しい」という関係にあります。これを「作用・反作用の法則」と言います。

力のつり合いとの違い

注意しなければならないこととして、「力のつり合い」とは違うという点が挙げられます。

作用と反作用は、あくまでも2つの物体の間で働き合う力のことを言うのに対して、力のつり合いは、1つの物体に対して2つの力が働く関係に注目したものですので、両者は異なります。

作用・反作用は3番目の運動の法則

作用・反作用の法則は、いわゆる運動の3法則のうちの3番目の法則に位置付けられるものです。

物理の世界では、物体の動く様子を「物体の運動」という事象として捉えます。

運動の3法則とは

「物体の運動」には投げ上げられたボールの動きや、坂道を転がり落ちる石の動きなど、全ての物体の動きが含まれることになります。

そして、すべての物体の運動には、共通した特徴があると考えられて、それはつまり、物体の運動と力の関係に注目した法則が3つ導き出されているのです。

それが「運動の3法則」です。発見者の名にちなんで、「ニュートンの運動の3法則」と呼ばれることもあります。

運動の3法則の定義

運動の3法則は以下の3つになります。

  • 第一法則「慣性の法則」
  • 第二法則「運動方程式」
  • 第三法則「作用・反作用の法則」

作用・反作用の法則がこのような体系的な位置付けにあることはしっかりと意識をしておきましょう。

作用・反作用の法則は、全ての物体の運動に統一的に通用する法則なのです。そして、これらの法則を利用することによって、物体の運動を同じ観点から分析することが可能となるわけです。

慣性の法則(運動の第一法則)について

中学生で学習する内容である「慣性の法則」について、簡単に触れておきます。

慣性の法則とは、物体に力が加わらない場合、または、力がつり合っている場合、動いている物体はその速さで等速直線運動を続け、静止している物体はいつまでも静止し続ける、という法則のことを言います。

身近な慣性の法則の例

例えば、走っている電車が急にとまったとき、乗客は前に倒れそうになりますが、これは電車とともに移動していた乗客に、そのまま移動しようとする力が働き続けようとしていることがあらわれていると言え、慣性の法則の一例であると言えるでしょう。

さらに、だるま落としについて、はじき出されたコマよりも上に位置するコマは、そのまま下に落下することになりますが、これは、静止していたコマがそのまま静止し続けようとしていることのあらわれであると言え、これもまた慣性の法則が影響したものと言えます。

作用・反作用の法則と同じように、物理の基本原理の一つであるということを踏まえた上で、中学生のうちはその内容を暗記するようにしておきましょう。

体系的な意義と内容を理解することが重要

さて、作用・反作用の法則だけが独立して問われることは非常に稀でしょう。まずは上で述べたような体系的な意義とその内容をしっかりと理解することが大切です。

その上で、実際の事象の中で、作用・反作用の法則がどのように使われているのかを見ていきましょう。

上で挙げた例のように、人と人が押し合っているような場面であれば、力が存在していることがはっきりとしているのでわかり易いのですが、作用・反作用の法則は、そのような目に見えやすい状況に限られるものではありません。

例えば、台の上に物体が置いてあるとしましょう。

一見何の動きもない状況ですが、ここにも力が働いていると捉えるのが物理であり、作用・反作用の法則なのです。

具体的に説明すると、静止しているように見えますが、物体が台を押す力(作用)と、それに対応する形で台が物体を押す力(反作用)が、同一直線上に、同じ大きさで、逆向きに働いていると理解するのです。

さいごに

今回説明した作用・反作用の法則(及び慣性の法則)については、少なくとも中学生の範囲に限れば、いくつかの具体例を挙げながらその法則の内容を説明することができれば及第点と言えるでしょう。

他にも身近にたくさんの具体例があるはずですので、一つずつ意識して探してみても面白いかもしれませんね。

 

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