今回は「磁界」をめぐる問題について学習していきたいと思います。小さい頃、公園の砂場に磁石を入れて遊んだことはありませんか?また、自宅の冷蔵庫にマグネットでチラシなどが挟んでありませんか?
私たちの日常に磁石はかなり身近でしょうし、したがって磁石に対するイメージはしっかりと出来上がっている方が多いでしょう。
そこで、今まで培ったそのイメージを大切にしつつ、複雑な磁場の構造や、電流との関係で導かれる法則について、深い理解を得ることを今回の目標としましょう。
おおよそのイメージが出来上がっていることは、習得に向けてのチャンスです!
磁力とは
磁石が鉄を引きつけることは、日常の経験からご存じでしょう。ここに「引きつける」とは、何らかの力が働いているという証拠です。
この力のことを「磁力」と言います。
磁力について、より詳細な説明をすると、磁石の同じ極同士がしりぞけ合ったり、あるいは異なる極同士が引きあったりする力のことを言います。
S極とN極は引きあいますし、磁石のS極とS極をひっつけようと思っても、反発してなかなかうまくひっつけることができないのは、この磁力が働いているからなのです。
磁界(磁場)とは
磁石のもつ磁力が及ぶ範囲のことを「磁界」と言います。
教科書等にも写真が載っているかと思いますが、磁石のまわりに砂鉄をまくと、砂鉄が磁石の周りを囲むように引きつけられます。これが「磁界」です。
磁界をわかり易くするために鉄が利用されることが多いですが、磁力は鉄だけに作用するわけではありません。
強力な磁力であれば、例えば人体に影響を及ぼすこともありうるとされています。身近な例としては、肩こり対策のためのエレキバンが市販されていますが、これも磁力は利用して肩こりの解消を図るものです。
つまり、ここでは磁力が人体に影響する作用が活用されているのです。
磁界の向き
磁界には方向があり、磁界の中に磁針を置いたときに、その磁針のN極が指し示す向きが磁界の向きであるとされています。
磁界の中のどの場所に磁針を置くかによって、磁針が指し示す方向は変わるのですが、そこには以下の図のように、一定の法則を見出すことができます。
この図では、各部に磁針を置いた場合に導かれる磁界の向きを曲線で示しています。この曲線のことを「磁力線」と言います。磁石の形、配置の仕方によって、磁力線の形状も様々ですので、まずは基本的な形をしっかりと覚えておきましょう。
まとめ
ここで説明した磁力、磁界、磁界の向きは、右手の法則やフレミングの法則に代表される、電流と磁界を学ぶ上で必須の知識です。
中学で習う理科の基本の知識なので、図のイメージと合わせてしっかりと暗記してください。