今回は関係代名詞としての”that”について説明します。
関係代名詞としてのthatはwhoやwhich、whomの代わりとして利用することできます。
先行詞によって選ぶ必要がない分、とても簡単に思えますよね。
関係代名詞thatの使い方
whoの代わりにthatを利用する
This is the student who passed the most difficult Science test.
(こちらは一番難しい科学のテストを合格した生徒です)
↓
This is the student that passed the most difficult Science test.
whomの代わりにthatを利用する
The girl whom I know is the famous musician’s daughter.
(私が知っている女の子は有名な音楽家の娘です。)
↓
The girl that I know is the famous musician’s daughter.
whichの代わりにthatを利用する
My treasure is the piano which my grandmother gave me.
(私の宝物は、祖母からもらったピアノです)
↓
My treasure is the piano that my grandmother gave me.
以上のように、who、which、whomなどの関係代名詞はthatに置き換えることができます。
関係代名詞はthatさえ覚えればいい?
正直どれを入れたら良いかわからない時はthatを入れれば間違いないということになります。
「それなら最初からthatだけ教えれば良いのに!ややこしい!」
と思う人、たくさんいますよね。私も同じことを考えました。しかし、すごく便利に見えるthatも、しっかりとルールを確認しなければ使いこなすことができないのです。
thatを使いこなすためには、関係代名詞におけるwho、which、whomの用法をしっかりと理解していることが重要になっていきます。
関係代名詞としてthatを使う上でのルール
thatはどの関係代名詞に対しても代替えできる便利な単語と思う人も多いでしょう。
しかし実際には、thatを使う上で必ず理解しておかなければいけないルールがあります。万能だと思えるthatも実は色々使用には制限があるのです。
少々ややこしいので、しっかりとここで理解しておきましょう。
1.所有格である関係代名詞whoseの代わりにはならない
冒頭で、who、which、whomの関係代名詞をthatに取り換えた場合の例文を紹介しました。
whoは人を表す代名詞の主格の役割を果たしており、whichは人以外のものを表す主格・目的格の役割を果たします。さらにwhomは人を表す代名詞の目的格の役割があります。
わかりやすくすると、whoはI、whichは主格、目的格であるit、whomはmeと同じ立場です。thatはこの3つしか置き換えることができません。
つまり、関係代名詞唯一の所有格であるwhoseはthatに置き換えることができないのです。Whoseはthatにならない、ということをまず理解しましょう。
2.in whichなどの前置詞を必要とする関係代名詞にもthatは使用できない
関係代名詞では、先行詞によって前置詞が必要な場合があります。頻繁に使われるのはin whichの関係代名詞in whichの関係代名詞などですね。
このように前置詞を必要とする関係代名詞の場合は、例えwhoやwhichなど置き換え対象のものでもthatに変えることはできません。
例文
This is my house in which I lived five years ago.
(これは私が5年前に住んでいた家です。)
このようなin whichなど前置詞を必要とする場合はthatに替えることはできません。文法問題などでは特に注意するようにしましょう。
3.非制限用法の場合thatは使用できない
非制限用法と聞くとかなり難しく聞こえますよね。
非制限用法とは、例えば先行詞が複数の場合、その中から対象を特定、限定することなく先行詞の情報を形容詞節として追加する場合に用いられる文法です。
文章の構成は、先行詞の後にカンマを付け、先行詞についての情報を後に書くという流れになります。
She has three daughters, who became teachers.
文章の内容は、「彼女は3人娘がいて、3人とも先生になった」というものです。
このように先行詞が集合しており、そのどれかを限定しない場合は、先行詞の後にカンマをつけてwhoから先行詞の形容詞節を書きます。このような非制限用法の場合はthatを使うことは出来ません。
関係代名詞としてthatを使わなければいけない場合
ここまでthatが使えない場合を解説しましたが、次にthatを使わなければいけない場合、又はthatを使用することを推奨する場合を解説します。
これは、関係代名詞thatの特別用法と呼ばれています。
特別な用法と言う通り、thatを使わなければいけない場合や、thatを使うことが好ましいとされている場合があるということです。
先行詞が「人+人以外のもの」の場合
関係代名詞は、先行詞が人や人以外のものかによって使う関係代名詞が異なります。もし、先行詞が「人+人以外のもの」の場合は、どちらを選べば良いのかわからないですよね。
その場合は、thatを使わなければいけません。
わかりやすい例文を2つ紹介します。
I want to learn about people and culture that came from Europe.
(私はヨーロッパから来た人たちや文化について学びたいです。)
That festival was very crowd with people and dogs that are famous.
(あの祭りは、有名な人々と犬たちでとても混み合っていた。)
先行詞に、形容詞の最上級が使われている場合
The best musicやthe tallest towerなど先行詞に最上級の形容詞がつく場合は、thatを使用することが好ましいとされています。
あくまで先行詞なので、形容詞節に最上級の形容詞が使われている場合はthatを使う必要はありません。
She is the best actress that I have ever seen.
(彼女は私が今まで見た中で一番良い女優です。)
This strawberry is the best delicious fruit that I have ever eaten.
(この苺は私が今まで食べた中で一番美味しいフルーツです。)
先行詞に「the first」などが使われている場合
先行詞に、only, the first, the same, the last, などが使われている場合は、thatを使うことが好ましいとされています。
This is the only computer that I have.
(これは私が持っている唯一のコンピューターです。)
This is the last game that I have in my school life.
(これは、私の学校生活の中でやる最後の試合です。)
先行詞に「all」などが使われている場合
All, every, no, any, ,many, muchなどの数量を表す言葉が先行詞に含まれている場合は、thatを使うことを推奨しています。
There are many people that like to go trip in here.
(ここには旅行が好きな多くの人々がいる。)
There is no one that have cat in my class.
(私のクラスには猫を飼っている人はいない。)
関係代名詞thatのまとめ
それでは関係代名詞thatについてのポイントを確認しましょう。
- who, which, whomはthatに置き換えることができる
- 所有格whoseにはthatは使えない
- in whichなど前置詞が伴う関係代名詞にthatは替えられない
- 先行詞を特定、限定していない場合thatは使えない
- thatの特別用法でthatを使わなければいけない場合、thatを使うことを推奨する場合をしっかり理解する
thatはwho, which, whomの代わりになるのでとても便利な関係代名詞です。
しかし、実際にはthatを使うにあたって多くのルールがあります。thatを便利に使いこなす為には、これらのルールをしっかりと理解する必要があります。
ルールさえ理解できればすぐに使いこなせるようになるので、まずはルールをしっかり押さえましょう!