動名詞とは、進行形で用いる時のように動詞にingを付けた形となります。
「動詞+ing」の組み合わせによって、動詞を名詞に変えることができると思ってください。
日本語での訳し方は「~すること」となります。
つまり、動詞にingを付けた形にすることによって、名詞と同じように主語や目的語、補語の役割を果たすことができるのです。
動名詞と不定詞の違い
「~すること」と同じ意味で用いられるのが「to+動詞」の不定詞です。
不定詞も動名詞と同様に名詞的用法を用いることができるので、動名詞と位置づけはほぼ同じだと思ってください。しかし全て同じならどちらか片方で良いのでは?と思いますよね。
しかし、実際には動名詞しか用いることができない、不定詞しか用いることができない場合があるのです。それらを臨機応変に対応するために不定詞と動名詞の両方が生まれたということなんですよね。
では、詳しく見ていきましょう。
前置詞の後は必ず動名詞
Atやforのような前置詞の後に名詞が来る文章はたくさんあります。しかし、前置詞の後には不定詞をつけることができません。
例文
Thank you for coming today.
(今日来てくれてありがとう)
という文章がありますが、
Thank you for to come today.
という文章を見たことがある人はいないと思います。同じように、
I am good at cooking.
(私は料理が得意です)
という文章も、
I am good at to cook.
とはなりません。
前置詞とtoが続く表現は変
前置詞と、同じ前置詞であるtoが重なって変な感じがしませんか?
このように、前置詞の後は必ず動名詞にする必要があるのです。前置詞が重なることで妙だと感じると思うので、ここは簡単にマスターすることができるでしょう。
動詞によっては動名詞or不定詞しか使えないものがある
本文の動詞によって不定詞しか使えないものや、動名詞しか使えないものがあります。
動詞のほとんどは両方とることができますが、ごく一部の動詞はどちらか片方しか使えない決まりがあります。ここでは代表的なものを紹介しますので、これを覚えておけば不定詞と動名詞で間違えることはないでしょう。
不定詞しか使えない動詞
- Hope
- plan
- wish
- want
- decide
- promise
- refuse
- agree
- expect
これらは不定詞しか使うことができないので注意しましょう。
動名詞しか使えない動詞
- Enjoy
- finish
- avoid
- practice
- escape
- give up
- mind
こちらも必ず注意しましょう。
英文を読んで慣れることが大切
最初は覚えることが難しいと思いますが、だんだん英文を読んで覚えていくうちに「あれ…何か変だな。」と思うようになります。
この違和感がわかるようになれば「勝った!」と思っても良いでしょう。ほかにもまだまだたくさんありますが、まずは頻出する以上の単語を押さえるようにしてください。
「動名詞か不定詞か」で意味が異なる動詞
不定詞しか選べない、動名詞しか選べない動詞があると説明しましたが、中には両方使えるが、不定詞か動名詞かを使うことによって意味が異なってしまう動詞もあります。
使い方を間違えてしまうと、伝えたいことが伝えられず、意思の疎通が図れなくなる可能性が高いのでしっかりと理解しておきましょう。
不定詞か動名詞か選ぶことによって意味が異なる動詞は、remember, try, forget, regretなどが主な動詞です。
rememberの場合
Rememberの場合は、不定詞の場合はこれから行うことを覚えていることに対して、動名詞の方は過去にあったことを覚えているという意味になります。
I remember to call my mother back.
(私は母に折り返し電話することを覚えている)
I remember talking with my mother.
(私は母と会話したことを覚えている)
forgetの場合
Forgetの場合も不定詞はこれからのこと、動名詞は過去のことを表します。英語の時制の区別は、意味を理解しあう上で非常に重要なので、間違えないようにしましょう。
I forgot to do my homework.
(私は宿題をすることを忘れた)
I forgot meeting him.
(私は彼に会ったことを忘れた。
regretの場合
Regretの場合は、不定詞の場合は「残念ながら~する」という、「不本意だけどこれからしなければならない」という意味合いが強い表現になります。
しかし、動名詞の場合だと、既に過去にしてしまったことを後悔しているという意味になるので、regretも不定詞と動名詞で時制が分かれると思ってください。
I regret to tell my father a lie.
(私は残念ながら父に嘘をつく)
I regret telling my father a lie.
(私は父に嘘をついたことを後悔している9
tryの場合
Tryも不定詞の場合はこれから行うこと、動名詞の場合は過去に試したことを表します。このように、同じ単語でも不定詞か動名詞か選ぶことによって、時制が異なるのでしっかりと注意してください。
I try to climb the Mt. Fuji.
(私は富士山に登ろうとしている)
I try climbing the Mt. Fuji.
(私は試しに富士山に登ってみた)
動名詞の意味上の主語
I am sure of winning this game.
(私はこの試合に勝つことを確信している)
この文章を見て何か変だと思うことはありますか?
「自分が確信しているのはわかるけど、誰がこの試合に勝つの?」と疑問に思うのではないでしょうか。
この文章の場合、確信していることも試合に勝つことも、主語である「私」がすべて行動していることなのです。これを「動名詞の意味上の主語」と言います。
動名詞の意味上の主語は省略可
意味上の主語が「私」とわかった場合でも、
I am sure of my winning this game.
と考えるのが普通ですよね?
しかし、このように、動名詞の意味上の主語がわかりきっている場合は省略しても良いというルールがあるのです。例えば、
Thank you for coming today.
(今日来てくれてありがとう)
という文章でも、感謝している相手が「you」であり、「you」が来てくれたことに対して感謝をしているので主語が明白なので、わざわざ「Thank you for your coming today.」となる必要がありません。
間違えやすい部分なので、必ず覚えるようにしましょう。
動名詞の使い方
動名詞は基本的に名詞と同じように主語、目的語、補語の役割を果たします。それぞれ例文を用意したので、確認してみましょう。
主語の場合
Playing tennis makes me happy.
(テニスをすることは私を幸せにしてくれます)
Working too much is very stressful for me.
(働きすぎは私にとってとてもストレスです)
Studying hard is the best way for me to make my mother happy.
(一生懸命勉強することは、私にとって母を喜ばせる最善の方法です)
目的語の場合
I like playing the piano since I was child.
(子供の頃からピアノを弾くことが好きです)
I finally finished doing my homework.
(私はやっと宿題を終えました)
I enjoy having dinner with my family.
(私は家族と夕食を食べることを楽しみます)
補語の場合
My hobby is reading Harry Potter.
(私の趣味はハリー・ポッターを読むことです)
What I need is having time to play with my son.
(私が必要としていることは、息子と遊ぶ時間を持つことです)
The best way of relaxing is taking bath.
(リラックスするために最適な方法はお風呂に入ることです)
まとめ
最後に動名詞のまとめを行います。
- 動名詞は「動詞+ing」にすることによって名詞的活用ができる
- 前置詞の後は必ず動名詞を使う
- 動名詞しか使えない動詞、不定詞しか使えない動詞をしっかりと把握する
- 両方使える動詞でも、不定詞と動名詞で意味が異なる場合があるので注意する
動名詞は不定詞と同じ役割を果たす分、不定詞と使い分けるためのルールを学ぶ必要があるので、とてもややこしい文法ではあります。しかし、使いこなせるようになることで文章の表現の幅が広がり、英文作成などに非常に役に立つので是非マスターしましょう!