円柱とは、この画像のような丸い煙突のような形をした図形のことです。底面の形が円で、それが柱のようになっているものを指します。
上面と底面は全く同じ円の場合について考えます。(上と下の面の大きさが異なる場合の体積等を求める際には、円錐という図形からのアプローチを要するので、今回とは話が異なりますよ)
このような円柱の体積を求める際にも、柱体という図形の一つの形態であるという観点から体積を導くことができます。
つまり、「底面が円の形をした柱体が円柱である」という理解を素直に適用すればよいのです。すなわち、円柱の体積を公式は以下の通りです。
円柱の体積を求める公式
ということになります。柱体の体積を求める公式「底面積×高さ」と変わりませんね。
円柱の体積を求めてみよう
では以下の図を使って実際に体積を計算してみましょう。
円の半径が2㎝で、円柱の高さが3㎝としたときの体積を求めてみます。
円柱の体積=(円の面積)×高さ
ですね、つまり
=(2×2×π)×3
=12π ㎤
というように求めることができます。
円柱の表面積の求め方
円柱の表面積を考えるにあたっては、その展開図に注意する必要があります。しっかりと考えないと間違えてしまいますので、まずは展開図のイメージをしっかりと持ちましょう。
円柱の展開図
いかがでしょう。特に注意が必要なのは側面の部分です。「円」柱ではありますが、側面はこのように長方形になる点に注意しなければなりません。側面が長方形、あるいは非常に限定的ですが正方形、でなければ、柱体を作ることができないからです。
では、円柱の表面積はどのようにして求めることができるでしょうか?
円柱の表面積を求める際のポイント
まずは底面と上面については問題ないかと思います。円の面積を求めるだけですね。では側面についてはどうでしょう。分かりやすくするために展開図に色をつけてみます。
ここでは図のオレンジ色の部分の長さがは同じです。すなわち、側面の長方形の長さは、底面の円の円周の長さに等しいのです。
展開図をきれいに折りたたんで、円柱に戻す作業をイメージして下さい。側面をくるりと回した時に、円の外周にきれいに張り付けることを想像することができるかと思います。
とすると、長方形の側面の長さは、底面の円周を求めればいいということになりますね。円周は「直径×π」で求めることができますね。
円柱の表面積を求めてみよう
具体的に円柱の表面積について考えてみましょう。
この円柱の高さが4㎝、底面の円の半径が3㎝とした場合の表面積の求め方です。
- 底面の面積=3×3×π
- 上面の面積=3×3×π
- 側面の面積=4×(6×π)
表面積はこの全ての面積を足せばよいので、
9π+9π+24π=42π
答えは42π ㎠になります。
面積公式と円周の長さを求める公式をしっかりと覚えていれば簡単にとけるでしょう。
さいごに
数学では、いくつかの分野にわかれているけれど、実はそれらは同じ法則の上に立っているということが非常によくあります。
このような時に、それらを一切関連付けることなく学習しても問題はないのですが、リンクさせて学んだ方が、おそらく習得も早いですし、何より数学への興味もわくことが多いように思います。ほんのひと工夫が定着への第一歩です。