「もしあの時~なら、~なっていたのに。」という、いわゆる「たられば」の話をすることって多いですよね。
例えば、「あの時雨が降らなかったら遊園地に行けたのに!」などの日本語でもよく使う表現、これを英文にしたものが、仮定法過去なのです。
仮定法過去は、現在の状態とは違うことを、仮定、想像したり、願う場合に用いる文法です。
今回は3つの仮定法過去の用法について解説したいと思います。
1.現状に対して異なる仮定や想像をする場合
「もし私が頭良かったら、もっと良い大学に行けたのに。」という、実際は頭がそこまで良くないので、そこそこのレベルの大学に行ったという事実とは逆の仮定や想像をする場合に用いる方法です。
仮定法過去の基本形
- if+主語+動詞の過去形~,主語+would(should, could, might,など)+動詞の原形~
となります。
If以下の文章が、「もし私が~であれば」という文になり、カンマ以下がその仮定があった場合の結論の文章になります。
カンマ以下はshouldやwouldが入るので動詞は原形になります。
例文
- If I was smart, I could go to a better university.
(もし私が頭良かったら、もっと良い大学に行けたはずだ) - If he knew that, he would tell me.
(もし彼がそれを知っていたら、彼は私に話したはずです) - If I was you, I would tell my mother the truth.
(もし私があなたなら、私は母に本当の事を話していたでしょう)
2.現状では既に実現できない、又は困難な場合の願望を表現する場合
この仮定法は、I wishやIf onlyなどを使って用いられます。I wishは原形になりますが、I wishやIf onlyの従節は過去形になるので間違えないようにしましょう。
この用法では、「晴れてくれれば良いのに」「うちの娘ももう少し注意深くなってくれたらなぁ」など、人の力ではどうすることも出来ない自然や、人の力では変えることが困難な事柄に用いられます。
例文
- I wish it would be sunny today.
(今日は晴れてくれれば良かったのに) - I wish my daughter would be more careful.
(娘がもう少し注意深くなってくれたら良いのになぁ) - If only they would be quiet for a moment.
(少しの間だけ、彼らが静かになってくれればなぁ)
3.実際にまだしていないけど、将来に期待していること、願っていることを表す場合
It is timeを用いて「もう~をしても良い時だ」という意味を表すことができます。
この場合、It is timeの後の従節は過去形になるので間違えないようにしましょう。
例文
- It is time my mother picked me up for lunch.
(もう母がランチに私を迎えに来ても良い時間です) - It is time we have dinner.
(もう夕飯を食べても良い時間ですよ) - It is time he and his girlfriend came here.
(もう彼と彼のガールフレンドがここに来ても良い時間だよ)
仮定法過去完了に触れておこう
過去形には過去完了形があるように、仮定法にも仮定法過去と仮定法過去完了が存在します。
仮定法過去が現在とは異なる状態を仮定や想像をする表現する一方で、仮定法過去完了は過去の事実と異なることを仮定・想像するものになります。
基本形は過去完了+have
- If+主語+had+過去分詞~,主語+would(should, could, might, など)+have+過去分詞
となります。
主節が過去完了形で、カンマ以下の従節が現在完了形になるので注意しましょう。
例文
- If I had known your address, I would have sent you an invitation for my wedding party.
(もしあなたの住所を知っていたら、結婚パーティーの招待状が送れたのに) - If I had got the good score in my examination, I could have visited to America.
(もし私が試験で良い点数を取っていたら、アメリカに行くことができたはずなのに) - If I had listened to your words more carefully, I would not have made that big mistake.
(もし私がもっと注意深くあなたの言葉を聞いていたら、あの大きなミスをすることはなかったのに)
仮定法過去のポイント
最後に仮定法過去のポイントをまとめます。
- 仮定法過去は、現在とは異なる状況の仮定・想像・願望を表す用法
- I wishやIf only、It is time以外の文章はすべて過去形を用いる
- 仮定法過去完了形は、過去の事実とは異なることの仮定・想像・願望を表す用法
- 仮定法過去完了は、Ifの主節を過去完了形、従節を現在完了形にする
まとめ
仮定法の表現方法はたくさんあるので、覚えることは大変だと思います。
ただ暗記をしても、実際に英文を作ることは難しいので、文法を使いながら覚えるようにしましょう。文章を音読したり、自分で英作文を作ったり、問題を解くことで文法に慣れることができます。
基本形を覚えて、過去形を使うというルールさえ押さえることができれば、後は簡単にマスターすることができるでしょう。
仮定法過去と仮定法過去完了は、区別がしにくく混乱してしまいますよね。過去が現在の事実と異なることを表現し、過去完了が過去の事実と異なることを表現する、ということは必ず覚えるようにしましょう!