素因数分解で100点を取る方法と押さえておくべき素数と因数

今回学習する素因数分解は、それ自体さほど難しい分野ではありません。しかし、今後学習する因数分解では素因数分解の定着が前提とされていますし、それはつまり関数の問題等、数学全般においての基礎体力となるということを意味します。

したがって、油断せずに正確な作業を行うことができるようにしましょう。

素因数分解の学習前に

素因数分解とは、ある正の整数を素数の積の形で表現することを言います。

この具体例を見るまえに、確認しておかなければならないことがあります。つまり、「因数」「素数」とは何か、ということです。まずはこれらをおさらいしましょう。

因数とは

因数とは、ある数の約数のことを言います。約数とは、ある数を自然数の積の形で表せるときのその自然数のことを言うことを確認して下さい。例えば、24の約数について考えてみましょう。

24の約数

1、2、3、4、6、8、12、24

数え洩れがないようにカウントする練習をしておきましょう。コツとしては、小さい数字(1)から順番に24で割れるかどうかを検討します。

そして、割れるものが見つかるたび、それに対応した数字を書き出すことによって、カウント漏れは減るでしょう。

  • 24=1×24
  • 24=2×12
  • 24=3×8
  • 24=4×6

このように表現できるのが「因数」です。

参考:最大公約数の問題はこれで完璧!約数を漏れなく求める方法と公約数の見つけ方

素数とは

これに対して、素数とは、1とその数自身の他に因数をもたない自然数のこと、を言うと定義されます。

定義は少し難しく感じるかもしれませんが、以下で具体例をみていきましょう。

2は素数か?

例えば「2」について、これの因数を考えたとき、「1、2」の二つが挙げられるかと思います。これを先程の定義にあてはめてみてください。「1と2の他に因数をもたない」と言えますね。したがって、2は素数ということになります。

大きな数字で素数を考えてみる

少し大きい数字について考えてみましょう。例えば、「23」はどうでしょうか。23の因数を考えたとき、「1、23」以外に因数は存在しませんね。したがって、23は素数であると言えます。

先程の「24」はどうでしょうか。24の因数は上に挙げた通り「1,2,3,4,6,8,12,24」でした。つまり、1と24以外の因数が他にも存在してしまいますので、これは素数ではないことになります。

「43」はどうでしょう。面倒かもしれませんが、約数を考える時の思考プロセスでカウントをしてみてください。2でわれるか、3でわれるか・・・、ということを繰り返したとき、43まで割れる数字は見つかりません。したがって、43は、1と43以外に因数を持たないことから素数であると判断されるのです。

1は素数ではないことに注意

なお、「1」は定義上、素数ではないとされている点に注意をしてください。「1とその数自身の他に」という部分の定義を充たすことができないからです。注意しましょう。

以上のような素数は、2,3,5,7,11,13,17,19・・・というように無限に続きます。したがって、「最大の素数を求めよ」というような問題は出されません。

素因数分解とは

再び、素因数分解について考えてみましょう。素因数分解とは、ある正の整数を素数の積の形で表現することを言います。具体例について考えてみましょう。

例えば、「8を素因数分解しなさい」という問題が出題されたとしましょう。直観的な判断で、8=2×4ですし、つまり、8=2×2×2=2³という表現ができることがわかるかと思います。

このように、8という数字を、2という素数の積でもって表現することが素因数分解では求められているのです。

素因数分解の方法

「8を素因数分解しなさい」ように簡単にわかりそうなものであれば問題ないのですが、例えば24や36、42など、数字は無限に存在します。

このような場合に素因数分解をすることを求められたときに、統一した方法を持たずに行き当たりばったりで対処してしまっては必ず漏れが生じますし、

また、素数を見つけることができず解答に至ることができません。したがって、以下では素因数分解の方法について検討したいと思います。

具体的に42を素因数分解する場面について検討してみましょう。小さい素数から順番に検討していきます。思考プロセスは以下の表に示した順番をたどることになります。

42を素因数分解するときのやり方

  1. 42を素数2でわることができるか⇒われる⇒42=2×21と表現できる。
  2. 21を素数2でわることができるか⇒われない
  3. 21を素数3でわることができるか⇒われる⇒42=2×3×7と表現可。
  4. 7は素数である⇒素因数分解終了
  5. 答えは、42=2×3×7、となる

もう一つ、100を素因数分解する場合について検討してみましょう。

100を素因数分解してみよう

  1. 100を素数2でわることができるか⇒われる⇒100=2×50と表現できる。
  2. 50を素数2でわることができるか⇒われる⇒100=2×2×25と表現可。
  3. 25を素数2でわることができるか⇒われない
  4. 25を素数3でわることができるか⇒われない
  5. 25を素数5でわることができるか⇒われる⇒100=2×2×5×5と表現可。
  6. 5は素数である⇒素因数分解終了
  7. 答えは、100=2×2×5×5、となる

いかがでしょうか。素数について1つずつ検討することができれば、問題なく処理できるかと思われます。

また、実際に素因数分解した結果について注目して下さい。これによって、もとの数字がどのように構成されているか、簡単な数字で構成されていることから非常にわかりやすくなっているかと思います。

塾で習う素因数分解の方法

今行った作業を、学校・塾等においてはひっ算のような図式を利用することによって指導することが一般的です。

このようなひっ算を利用して、左と下に出てきた素数に注目し、42=2×3×7と求めるのです。結局上で説明したことと同じことを行っているだけですので、やり易い方法を見つけると良いでしょう。

まとめ

はじめに述べた通り、素因数分解だけが問われる問題ならばそう難しくはないことを分かっていただけたでしょうか。

今後、数学を学習する上で、特に因数分解を利用する分野については、「ある整数を積の形で表現しなおす」という作業が当たり前のように求められます。

しかも、その際には、簡単な素因数分解や因数の発見などについては、頭の中で処理しなければなりません。

簡単な分野であるからと言って学習を疎かにしてしまうと、今後、思わぬところで壁にぶつかってしまいます。本文で述べた以外の数字についても素因数分解ができるように練習を重ねて下さい。

 

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