中学一年生の学習分野に「相対度数」というものが登場します。言葉だけだととても難しそうに感じますよね。
また、中学の数学の分野では他にもとても重要な範囲があることから、どうしても学習がおろそかになりがちな分野でもあります。
しかし、実際の問題に触れてみると、そこで行われる作業はとても単純な場合が多く、簡単にマスターすることができます。
したがって、入試問題で問われた際には確実な得点源とすることを目標に、習得を目指しましょう。
相対度数とは
一般的に、相対度数とは、「度数全体に対する個々の階級の占める割合」という定義がなされます。定期テスト等においては、この定義を穴埋めで答えることが求められる場合もあります。
表現の仕方は先生ごとに微妙に違うことがあるので、教科書・先生の説明をしっかりと復習すると良いでしょう。数式で表した場合には、以下のようになります。
相対度数=ある階級の度数/度数の合計
ここで、階級・度数と言った言葉が出てきました。
これについて、定義を説明するよりも、実際の問題では「度数分布表」というものが提示されることが多いですので、具体例を示しながら、それぞれの言葉が何を指すのかを学ぶことが近道です。
度数分布表の読み方
階級(点数) | 度数(人数) |
0~20 | 1 |
20~40 | 2 |
40~60 | 4 |
60~80 | 8 |
80~100 | 5 |
合計 | 20 |
さて、例えばこのような度数分布表が与えられることがあります。この表を読解する練習をしてみましょう。
あなたのクラスには20人の生徒がいます。その生徒たちの、中間テストの数学のテストの得点分布を表にしてみると、上記のようなものになりました。これが今回の度数分布表です。
例えば、0~20点の間の点数を獲得した生徒は一人いますね。この生徒に注目した時に、『0~20点の階級の度数は1である』という表現をすることになるのです。
他にも、60~80点の間の点数を獲得した生徒は8人いることがわかりますね。したがって、「60~80の階級における度数は8である」ことを読み取ることができるのです。
そして、階級ごとに、相対度数を計算することができます。それぞれの階級について、上で説明した相対度数の公式にあてはめてみましょう。
相対度数の求め方
階級(点数) | 度数(人数) | 相対度数 |
0~20 | 1 | 0.05 |
20~40 | 2 | 0.1 |
40~60 | 4 | 0.2 |
60~80 | 8 | 0.4 |
80~100 | 5 | 0.25 |
合計 | 20 | 1 |
相対度数を求める公式にあてはめると、このように全ての階級について、相対度数を求めることができます。
例えば、40~60点の相対度数を求めたい時は、この階級の度数が4であることと、度数の合計数が20であることを確認します。これを相対度数の公式を代入してみましょう。
4/20=0.2
という計算によって、40~60点の階級における相対度数が「0.2」であると求めることができるのです。
相対度数表の応用問題
それでは、少しだけ応用した問題を考えてみましょう。以下の相対度数表の空欄部分を埋めて下さい。
階級(点数) | 度数(人数) | 相対度数 |
0~20 | 1 | 0.05 |
20~40 | 【 A 】 | 【 B 】 |
40~60 | 4 | 0.2 |
60~80 | 8 | 0.4 |
80~100 | 5 | 【 C 】 |
合計 | 20 | 1 |
まず、確実に頭に入れて欲しいことは、「度数」「合計数」「相対度数」の三つのうち、二つが分かっていれば、残りの一つを求めることができる、ということです。
相対度数の公式では、この三つだけが登場するわけですから、その三つのうちの二つがわかれば、残りの一つは絶対に求めることができますよね。
公式から【 C 】を求める
この基本的な考え方を前提とした場合、まず本問において一番はじめに求めることができるのは【 C 】ですね。これを公式で処理すると、
5/20=0.25
となります。したがって、【 C 】=0.25です。
では、次に21~40の階級について注目してみましょう。
相対度数の性質から【 B 】を求める
この階級の度数は【 A 】で、その相対度数は【 B 】となっています。つまり、三つのうち、合計数しかわかっていないので、先程の原則通りでは解答ができないようにも思えます。
ここで、もう一つ大切なことを学ぶ必要があります。
つまり、「全ての階級の相対度数を足すと1になる」というルールを適用する必要があるのです。
相対度数とは、各階級の割合を求めることです。
つまり、その相対度数の合計は、割合という性質上、必ず1になるのです。相対度数表を自分で埋める必要がある問題が出題された時に、最後に演算をする上で、この事実は役に立ちます。
さて、これを本問について考えてみると、【 B 】以外の相対度数は全てわかっているのですから、1からこれらをひいてやれば良いのです。
=1 – 0.05 – 0.2 – 0.4 -0.25
=0.1
つまり、【 B 】は0.1ということになります。
公式を利用して【 A 】を求めよう
これを21~40の階級について考えてみると、この階級の度数は【 A 】で、合計が20、そして、相対度数が0.1であることから、
0.1=【 A 】/20
という式を設定することができます。これを計算すると、【 A 】=2と求めることができます。
今回の問題は【 A 】を最初に求めることもできますが、敢えて相対度数にこだわった解き方をご紹介しました
まとめ
以上にみたように、相対度数の範囲では、難しい公式や計算方法が問われるのではありません。
問題で与えられた表を丁寧に読解して、必要とされる数字をミスなく求める、という作業だけが要求される範囲です。
手薄になってしまう範囲ではありますが、習得していると確実な得点源とすることができます。敬遠せずに、しっかりと学習を重ねましょう。