中央値の求め方!対象データの数によって異なる解法手順と注意点

中学生で数学を習い始めた時に、その戸惑いの一つとして、用語の難しさがあげられるかと思います。

小学生までの算数は、分野はそれぞれあれど、結局は数字というものを日常生活との関係で学ぶことが中心であったのに対して、中学生の数学は、学問としての意味合いが濃くなりますので、必然的に扱う用語が難しくなってしまうのです。

今回学習する「中央値」という概念も、これと類似したものに「平均値」「最頻値」という概念が出てくることとの兼ね合いで、どうしても複雑に感じでしまうでしょう。

確かに中央値における処理というものは、統計学の入り口であることから、言葉でそれを説明した時に、厳密な表現がされがちです。

しかし、中学数学で求められるその内容は極めて初歩的な数字の処理が求められるだけ、複雑な数処理が登場することも非常に稀ですので、簡単な問題に触れつつ、求め方を定着させれば問題ありません。

中央値とは

与えられたデータをその大きさで順番にならべた際に、その真ん中の数字を中央値と言います。この中央値のことをメディアンとも呼びます。「順番に並べて、真ん中の数字を考える」という単純な作業だけが要求されます。

中央値を求める際には、与えられたデータの数が奇数であるか偶数であるかによって扱いが微妙に異なります。この点だけ、注意が必要となります。

データが奇数の中央値の問題

クラスで仲の良い五人の数学のテストの成績が以下のようであるとき、中央値を求めなさい。

一郎 ⇒ 50点
二郎 ⇒ 60点
三郎 ⇒ 70点
太郎 ⇒ 55点
花子 ⇒ 65点

奇数の中央値の求め方

中央値が問われた際にまずしなければならないことは、データを大きさの順番に並べることです。すなわち、

・50点、55点、60点、65点、70点

このように、五人の成績を並べることができますね。

そして、五つの中の真ん中の数字、つまり、上から三番目(=下から三番目)の数字がちょうど真ん中に当たることを確認します。この作業を丁寧にしましょう。

何番目が真ん中かを数えるだけですが、ここではいかにそれを正確にできるのか、ということが問われているからです。

したがって、本問における中央値は「60」ということになります。

データが偶数の中央値の問題と求め方

クラスで仲の良い六人の数学のテストの成績が以下のようであるとき、中央値を求めなさい。

一郎 ⇒ 50点
二郎 ⇒ 60点
三郎 ⇒ 70点
太郎 ⇒ 55点
花子 ⇒ 65点
次郎 ⇒ 90点

偶数の中央値の求め方

同じく、中央値が問われているので、まず与えられたデータを順番に並べます。

・50点、55点、60点、65点、70点、90点

順番に並べることができた場合、次にその真ん中の数字は何かを考えます。ここで、データの数が6という偶数であることに注意をしましょう。

つまり、6個のデータの真ん中にちょうど該当する数字は存在しませんよね。

したがって、計算して求める必要があります。ここではその計算方法を学びます。

このような問題の場合、6個の数字のちょうど真ん中というのは、3番目と4番目の間にある数字(3.5番目と表現してもいいかもしれませんね。)です。したがって、3番目と4番目に該当する数字の平均値を中央値とします。

本問の場合、3番目の数字は60点、4番目の数字は65点となります。したがって、その平均は、

=62.5

というように求められます。したがって、本問における中央値は「62.5」となります。

中央値の問題を解く上での注意点

以下の五つの数字の中央値を求めなさい。

1、2、3、4、100000

このような問題が出題された時、ややもすれば混乱してしまうかもしれません。与えられた数字の大きさにあまりに偏りがあるために、不安になることもあるでしょう。

しかし、中央値というのは問題1、2で練習したように、あくまでも数字を並べた上で、その順位に注目した上で、真ん中に該当する数字を中央値とする、という作業だけが求められているのです。

したがって、本問では、順番に並べた上で、データの数が5つ、つまり奇数であることを判断します。その上で、三番目の数が真ん中、つまり中央値であるとすればよいだけなのです。したがって、本問における中央値は「3」です。

さいごに

中学数学では、様々な言葉が新しく出てくることから、それを混同してしまう場合もあるかと思います。しかし、それぞれの内容で問われることは決して難しいものではありません。したがって、言葉の定義を確実にし、どのような作業をすればよいかを覚える、ということを習得の目標としましょう。

特に、中央値の範囲は、他と勘違いしやすい概念が登場することから、しっかりと復習を重ねることが大切です。

 

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