比例と反比例はこれで完璧!グラフと式の読み解き方!

比例・反比例については、小学生でも学習することから、事前の知識をしっかりと有していると考えられますので、いきなり躓いてしまうという事態は想定しにくいでしょう。

もっとも、中学の数学では、小学生で学習した内容を方程式に結び付けて理解する必要があります。その結果、内容としては簡単なはずなのに、方程式という「いかめつい」外観に気圧されてしまって、問題を解けなくなってしまうという状況におちいってしまう生徒がいるのもまた事実です。

さらに言えば、小学生でこれらを学習する際には、必然的に正の数に限定した学習がなされていましたが、中学の数学では当然正負の両方について比例・反比例を考える必要がありますし、特に比例について言えば、この理解を前提にして、一次関数の理解を深めることが求められます。

そこで、中学数学で比例・反比例について学習するときには、方程式を処理しなければならない、というように自分で壁を作ってしまうのではなく、小学生の間に学習した内容をしっかりと踏まえながら問題をしっかりと読解する必要があります。

そのような読解をする力を身に付けることができれば、一見難しそうな方程式が与えられたとしても、自分で解決する力を身に付けることができているでしょう。

比例とは

小学生で学習する比例についての理解は、簡単に言うと以下の2点です。

比例の定義

  1. 一方の数を2倍、3倍としていったとき、他方の数も同じように2倍、3倍と変化する関係にあるとき、この二つの数を比例の関係にある、という言い方をします。
  2. 二つの量の対応する値の商は、どこをとっても一定の関係にある。

表から読み取るxとyの関係

例えば、以下の表について考えてみましょう。これはxとyの関係について表したものですが、xとyについてどのような関係を読み取ることができるでしょうか。

x
y 10 20 30 40 50 60

両方の数が等倍で増えている

まず、xが1のとき、yは10であることは素直に読み取ることができるでしょう。このxの値を2倍したとき、yの値も2倍の20になっています。

また、このxの値を6倍したとき、yの値も6倍の60になっています。つまり上の1で述べたように、xとyの値は、xを2倍、3倍としたときに、同じようにyも2倍、3倍となっていることから比例の関係にあるということができます。

どの値も一定の関係

また、それぞれ、例えばy÷xの値について考えてみましょう。対応するxとyの値について、y÷xをしたとき、どの値も10になることがわかるでしょうか。

これは2で述べていることで、したがって、どの商の値も10ということになりますので、比例の性質が導かれることになります。

比例のグラフ

これをグラフで表現すると以下のような形になります。

中学生であれば、この形のグラフは「一次関数」であることがすぐにわかるのではないでしょうか。つまり、比例の式とは、原点を通る一次関数を表現することになるのです。

ここで、原点を通る、という点がポイントです。そうでなければ、対応するxとyの値を、常に同じ倍数によって表現することができなくなるからです。

比例の方程式

比例の方程式とは、

y=ax(aは定数)

という形で表現することができるというわけです。今回の場合には、2について検討したように、全ての商について10であるということができるので、

y=10x

という方程式によって表すことができるのです。

比例定数とは

また、この一次関数の傾き(a)にあたる部分が、さきほどのyをxで割った商であることがわかりますね。

この傾き(a)、あるいは商(y÷x)のことを、「比例定数」と言います。言葉だけの問題ですが、一応頭には入れておきましょう。

比例の問題例

まずは簡単な問題で比例についての理解を確認してみましょう。

【問題1】x=2、y=6で、xとyは比例の関係にあるとき、x=5のときのyの値を求めなさい。

解法のポイント

問題文に書かれていることをそのまま数式にしてみましょう。

まずは、xとyが比例しているということですので、

y=ax

という式をいきなりおいてしまいましょう。比例の場合にこの方程式が成り立つことは上で説明した通りです。そして、問題文の条件をそのまま代入します。x=2、y=6ということですから、

6=2a
a=3

ということから、この比例定数(あるいは一次関数の傾き)が3であることがわかります。つまり、この問題における比例式は、

y=3x

であることがわかります。

本問の答え

今回は、x=5のときのyの値を求めたいのですから、これをまた代入すれば良いのです。つまり、

y=3×5
y=15

ポイントが比例定数を求めることができるか、という点であるのは間違いないのですが、それよりも大切なことはy=axという一般式を置くことからはじめることができるか、という点です。

これさえできれば、比例定数を導くことはないと思われますので、入り口が大切ということになります。

では、別のバリエーションを考えてみましょう。

【問題2】xとyが比例定数3の条件で比例の関係にある。今、xの変域について、-2<x≦3と定められているとき、yの範囲を求めなさい。

解法の手順は問題1と同じ

このように、比例の問題では、不等式とリンクさせた問題が出題されることがあります。しかし、比例の関係にあるという性質をしっかりとわかっていれば問題なく解けるでしょう。

本問でも、xとyが比例の関係にあることから、まずは一般式をおいてみます。

y=ax(aは定数)

そして、問題文より、比例定数が3であることから、この一般式は、

y=3x

という形に変形することができます。

本問の答え

比例については、xが大きくなればyは大きくなる(比例定数が正の場合に限りますが。)という性質があるのですから、xの変域に対応したyの範囲を求めるには、

x=-2のとき、y=3×(-2)=-6
x=3のとき、y=3×3=9

ですので、yの範囲は、

-6<y≦9

ということになります。

このように、比例の問題の場合、基本的にyの範囲を求めるには、xの範囲の両側の値をそのまま使うことで答えにすることができるのです。こ

れを視覚的に把握したい場合には、一次関数のグラフを書いて、変域について図示してみると良いでしょう。理解を深めるためにも、一度自分でグラフを書いてみることをおすすめします。

続いては反比例について

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