効率良く勉強しなければ意味がありません。
とまでは言いきるつもりはありませんが、効率が良いに越したことはないでしょう。「効率が良い」と「効率が悪い」、比べるまでもありませんね。
自ずと答えは見えてくるはずです。良い方が良い、に決まっています。
何のために勉強効率を上げるのか?
何のために効率をあげるのか、それはもちろん「結果を出すため」ですね。
どれだけ革命的な方法があったとしても、結果が出なければ意味がありません。あるいは、結果が出ないやり方は、一見どれだけ効率がよさそうに見えたとしても、とどのつまり「効率が悪い」のです。
言葉遊びのように思われますが、大切なことです。「結果を出すために」効率をあげる、という点をまずは意識することからはじめましょう。
学校の先生や親御さんは簡単に「効率よく勉強しなさい」という台詞を言いますよね。
もちろん間違えてはいないのですが、言葉だけが上滑りしてしまうことほど悪循環を生みだすものはありません。
「勉強しなさい」「効率よく勉強しなさい」等々、これらの言葉を連呼されると、誰だって嫌気が差すものです。そして、ひょっとしたら「効率よく勉強する」ということ自体にアレルギーが出てしまう方もいるかも知れません。
しかし、今一度、自分のためだと思って、この言葉をしっかりと反駁して下さい。そして意味を噛みしめてみましょう。
「結果を出すため」にはどうすれば良いか。これを意識して勉強しようとするだけで、まずは合格です。
効率を上げるために
「結果を出すために」効率をあげる、という点をまずは意識するとても大切なことです。
この意識をもっている前提で、こちらからいくつかの勉強法をご提案します。提案しますが、それを鵜呑みにしてはいけません。
提案された方法が、「結果に結び付きそうかどうか」、自分の頭で考えながらトライしてみましょう。
その結果、合わなければ別の方法を模索すればよいのです。
テスト前詰め込み(一夜漬け)は絶対ダメ
もちろん部活動もあるでしょうし、友人と遊んでしまったりもするでしょう。
普段から勉強ばかりというわけにいかないことは百も承知です。だとしても、全く勉強しない、という事態は避けましょう。
なぜなら、テスト前にしわ寄せがきてしまうからです。
テスト前詰め込み型がどうしてダメか
「テスト前に詰めこんで、それでも結果を出せれば良いってことじゃないの?」と思われる方。
一見筋が通っているようですが、お薦めはしません。
なぜなら、皆さんにとって、中間テスト・期末テストがゴールではないからです。要領が良い方、短期記憶が得意な方にとっては、定期テストの勉強なんて二三日で何とかなるでしょう。
それによって定期テストは及第点をクリアできるかもしれません。
しかし、絶対に「入試」には結び付きません。
詰め込みのテスト勉強は入試に結び付かない
何のために勉強しているのかと問われたときに、「入試のため」と割り切ってしまうことに問題がないわけではありません。
ただそれは、「入試を無下に扱ってもよい」ということを意味するわけでもありませんよね。
なぜ授業を受けて定期テストをクリアしなければならないのか、それは、一つの目標として、入試に結び付けるためです。
この目的との関係では、定期テスト前詰め込み勉強には意味がありません、
更に言えば、長期的な定着に絶対に結び付かないことから考えると、逆に無駄です。
いっそのこと、一夜漬けをするくらいならば、ノー勉でテストを受けた方がましなくらいに思った方が良いでしょう。
効率よく勉強するためにカリキュラムを決めよう!
テスト前詰め込み勉強はダメ=普段から最低限は勉強しておく。これは絶対です。
それでは、普段からどのように勉強をしておけば良いのでしょうか。ここでお薦めするのがカリキュラムを決めることです。
と言ったとき、ツッコミが入るのは承知です。
カリキュラムを決めたとしても、それを実行できない。きっちりしたカリキュラムを決めることで、逆に負担が生まれる、などなど。
100%正しい勉強法なんてない
どの勉強法にもメリット・デメリットがあります。だからこそ色々な勉強法についての議論があるわけです。
カリキュラムを決めることでデメリットが生じうることも分かっています。
ただ、それならば、デメリットに注意しながら勉強法を確立すれば良いのです。つまり、負担が生まれないようなカリキュラムを作ってしまえばいいのです。
当たり前の話ですが、勉強法は大きく二つに分けることができます。
どちらの勉強法が良いですか?
一つが「カリキュラムを決めた勉強法」、もう一つが「カリキュラムを決めない勉強法=行きあたりばったりの勉強法」です。
行きあたりばったりで自分の学力をコントロールできるほど、皆さんは自分の習熟能力・学習能力を把握していますか?
もちろん、Noでしょう。
それならば、まずは客観的に自分を縛る物差しを作った方が良さそうではありませんか?
どのように勉強のカリキュラムを決めるか?
さて、具体的にどのようにカリキュラムを決めるかです。
もちろん、皆さんの普段のライフスタイルがあるでしょうから、全てそのまま実践することは不可能でしょう。その上で、まずは原則的な方法について検討してみましょう。
学校の授業時間に合わせる
まず推奨するのが、長時間勉強し続けることを前提にしないことです。
連続で勉強するとしても、しっかりと気分転換のタイミングを作っておきましょう。平日なら、ただでさえ学校で疲れているのに、家に帰って何時間も連続して勉強できるわけがありません。
休日なら、テスト前でない限り、遊びたい・ゆっくりしたいという気持ちが出て当然です。
短時間に勉強時間を区切る
集中して勉強できるために、敢えてある程度の短時間を区切りにしてみましょう。
そして、その目安は最長でも一コマの授業時間を限度にしましょう。週五日、朝から夕方まで、皆さんはこのリズムで授業を強いられています。
すると、意識しないうちに、この時間を身体が覚えているものです。45分~50分程度であれば集中できるでしょうし、それ以上集中して勉強することは負担とも言えます。
45分~50分勉強して、15分~10分は休憩する。
これを一セットとすることを前提としてみてはいかがでしょうか?
そして、平日であれば、例えば、帰宅してから二コマ~三コマ程度を目安にすると、充分な勉強時間と言えるでしょうし、満足感も得られるのではないでしょうか。
勉強する内容をあらかじめ決めておく
家に帰って勉強する、ということは決めたとしても、何をするか決めていなければ、せっかくの区切った時間がもったいないですし、あれこれ考えているうちに気が付けばあっという間に就寝時間が迫ってきます。
そこで、毎日何をするのか、あらかじめ決めておく必要があります。では、どのように設定するのがよいのでしょうか。
何に勉強時間を割くべきか?
ここからは見解がわかれるところでしょう。
例えば、授業の復習に時間を割きたい、宿題の時間にしたい、予習をしたい、授業とは関係なく、英語の単語を覚えたい。
さまざまな要望があることでしょう。
まずは自分がしたい勉強を
まずはその希望を通してみましょう。どのような勉強を普段からすべきか、ということは別項でご説明しますが、「予定を立てて、それをこなすことができる」というのも立派な勉強です。
それを身に付けるためにも、やりたいようにやればいいです。
ただし、その場で決めるのではなく、毎週の授業時間から考えて、それぞれの曜日に家ですべきことを決めて、それにしたがって時間を使いましょう。
毎日少しでも勉強する
先程、二コマ~三コマ、という数字を提示しましたが、それは多すぎる、無理だと感じる方もいらっしゃるでしょう。もちろん、それならばコマ数を減らしても問題ありません。
ただ、「今日は勉強しない日」というのは、できれば避けて頂きたい。
どうしても身体は楽を覚えます。勉強しない日を作ってしまうと、勉強しない日の次の日、絶対にしんどい想いをしてしまいます。
胡散臭い言い方になってしまいますが、自分の身体に暗示をかけてしまうのです。
無理のないカリキュラムを立てることで、無意識のうちに、勉強しても苦ではない身体を作るのが目的です。
どうせ勉強しなければならないのであれば、楽しくなるかどうかはさておき、ツライ思いをしながら勉強するという事態だけは避けたいものでしょう。
そのために、毎日少しでも、机に向かってしっかりと集中する時間を作って、身体に隙を与えないようにするのがおすすめです。
「身体に隙を与えない」という言い方はとても圧迫感があります。が、無理のないカリキュラムを利用することで、無意識のうちに強い身体を創りあげて行くイメージです。
教科毎の効率的な勉強法について
ここまで勉強法について触れてきましたが、教科毎の効率的な勉強法についても踏み込んでみましょう。入試のため=定期テストのため、という前提をくれぐれもお忘れないように。
英国数の基礎力について
さて、家での勉強内容についてですが、学校の予習・復習といった、授業に直接関係があるもの以外について、些か提案させていただきます。
数学・国語・英語の主要三科目についてです。学校の授業で扱っている内容についての予習復習。
ではなく、それぞれの科目で、授業内容とは関係がないかもしれないけれど、絶対に必要な能力、は決まっていますね。
例えば、
- 英語であれば単語力
- 国語であれば漢字・慣用句などの知識
- 数学であれば計算力
これは、どの範囲を習っていたとしても絶対に必要です。
1日の中で基礎に触れる時間を作る
そこで、一日のうちのどこかで、これらに触れる時間を作ってはいかがでしょうか。
先程のカリキュラム論と関連付けるならば、例えば、「英単語15分→休憩5分→漢字15分→休憩5分→計算問題→休憩5分」で、一コマという具合です。
ちなみに、私は、中学三年生の頃から(それまではやってなかったのかよ、というご指摘はご勘弁。中学三年生になるまでは不真面目な生徒でした。)登校前に、これらをこなしていました。
朝、少しばかり早く起きる習慣を作って、1時間程度、簡単に単語帳などに目を通す生活を四年間ほど過ごした計算になります。
正直に申しますと、一時間しっかりと時間をとれない日はかなりありましたが、ただ、この基礎作業を朝にすませることは完全な日課になっていました。
基礎力を作った結果
その結果、希望大学であった京大に進むことができましたし、受験勉強の際には、周りのライバルたちが必死に単語帳に向かわざるをえない時間を、他の科目(社会・理科や応用問題の練習)に充てることができたと考えています。
一日一時間が厳しいようであれば、もっと時間を減らしても良いです。
ただ、毎日、コツコツ積み重ねることが後になって非常に意味をなす典型例です。そして、できれば夜にこの作業を残さないでいただきたい。
夜の疲れた時間における単純作業は、意図せず非効率化を招く可能性が高いです。それならば、目を覚ます意味でも、数問だけでも計算問題を解くことにする方がよっぽど意味があるでしょう。
理科と社会の勉強法
ここまでご覧いただいた方なら十分すぎるほど伝わっていると思いますが、効率的な勉強の基本にあるのは、毎日の積み重ね、です。
これは、上で述べた英数国以外の科目についても言えることです。
とはいっても、暗記科目であるという性質上、どうしても先に覚えておくことに抵抗を感じる方が多いのも事実です。
テスト前に忘れてしまうのならば、いっそのこと、普段は完全に無視してしまえ、というのも一理あるかもしれません。
ただ、やはり「テスト前だけに集中」というのでは、後に生きてきません。どうせ忘れるにしても、それまでに何度頭の中に入った経験があるのか、というのは重要なポイントになります。
理科・社会のオススメの勉強法
そこで推奨したいのが、毎日1テーマだけ教科書を読む、という作業です。
言わずもがな、定期テストまでに何度も繰り返されることになります。たとえ毎日適当に目を通していたとしても、嫌でも頭に残ってしまいます。
さらに言えば、反復することで、テストが近づいてくる頃には、一日一テーマなんて限定をしなくても、どんどん頁が進むようになります。
私は中高一貫校に通っており授業の進度は少し特殊だったためもう少し量は多かったのですが、この作業は小学生の頃(中学受験の頃)からずっと続いていました。
毎日1テーマ教科書を読んで得られたメリット
有難いことに、社会と理科の勉強をテスト前に切羽詰まってやったという記憶はありません。さらにメリットを述べるなら、受験にとって理科・社会に強みがあるというのは非常に強力な武器になります。
英語・数学・国語は、どうしても水物ですから、どれだけ得意であったとしても崩れる可能性がなきにしもあらずでしょう。
しかし、社会・理科に関しては、一定水準の力があれば大崩れすることはありませんし、むしろ飛躍的に他の人との差を付けることができるものです。
試験前に理科と社会などの暗記にばかり時間をとられてしまって、数学・英語で失敗する、というのは、受験不合格の典型的なパターンです。
それなら、毎日目を通すうちに勝手に身についてしまう、というボーナスを取りこぼさない方がよいのではないでしょうか?
毎日コツコツ勉強することに勝るものはない
結局、毎日コツコツ勉強して下さい、ということにつきるのですが、この作業を続けていくうちに、ふと気付くことがあるのです。
勉強を続けることで変わる意識
単語なり社会なり、単語帳や教科書をめくる作業を繰り返すうち、次第にそれに飽きてくることになります。
すると、自然とノートをまとめたり、覚えていないものをリストアップしてみたりなど、色々な作業をしたくなるのです。
そう、ここで言いたいことは、最初からノートをまとめようとか、蛍光ペンをひいてみよう、と思ってこれらのするのではなく、やっているうちに必然的にそちらの方へと意識が向かうようになる、ということです。
ここに、「ノートをまとめる作業」の意味が全く異なるのです。
よく、授業ノートとは別にまとめのノートを作った方がいいのか?とか、どれだけの色分けをした方がいいのか?ということがテーマにされるかと思います。
これらに対する答えは一つです。ズバリ「各自、ご自由に」
大切なことは、何のために、どういった経緯でこの作業をするのか、ということです。
参考リンク:ダメなノートのまとめ方!その取り方では成績は上がらない!
毎日続けることで生まれる差
毎日コツコツを積み重ねる勉強をする過程で生み出された「ノートまとめ」であれば、自分の普段の勉強にどのように生かされるのか、あるいは、どのような意識でノートがまとめあげられるのか、はっきりとした目的意識がそこにはあるでしょう。
これに対して、とりあえず試験の前に見直すためのノートを作ってみよう、という程度のものであれば、結局ノートを作ることだけが終着点となってしまいがちです。それでは意味がありません。
まとめ方が上手な方、レイアウトが上手な方、色分けが上手な方。もちろん結構です。その能力は素晴らしいです。
それならば、せっかくですので、その能力を、結果に結び付けるように利用してはいかがでしょうか。
きれいにまとめなければやる気が出ない、というのも分かります。ただ、それで間に合いますか?優先順位は何ですか?
自問自答してみたときに、自ずと答えは見えてくるでしょう。
最後に
多感な時期ですし、色々な興味もあるでしょう。勉強ばかりやってられないというのも分かります。だからこそ、遊びたいときに遊べるように、毎日少しずつ、自分を上手にコントロールしてやることが大切です。
睡眠時間を削ってまで勉強する必要なんてありません。毎日少しばかり、上手に時間を使うことができて、上手に自分をそこにのせてやることができれば、健康的に毎日を過ごしながら成績をあげることなんてとても簡単なことです。
部活をして、ご飯をしっかり食べて、ぐっすり眠る。規則正しい生活の中に、少しだけ勉強をまぜてやるだけで、効率的な勉強法はできあがるものです。